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飲食・フード
2019.06.12

急成長を遂げるアメリカのミールキット市場

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1.はじめに:越境ECを活用した日本企業のアメリカ市場進出

2019年4月、日本の有機栽培野菜と食品宅配を手掛ける「オイシックス・ラ・大地株式会社」が、アメリカのミールキット宅配サービス「Purple Carrot」を運営するThree Limes, Incの株式を全て取得し、子会社化することが発表されました。この動きは、日本企業が越境ECを通じてアメリカのミールキット市場に進出することを示しています。

この記事では、アメリカにおけるミールキット市場の急成長に焦点を当てます。さらに、日本企業とアメリカ企業との提携によって、どのような新しいビジネスモデルが展開され、どのような影響が越境EC市場にもたらされるかを探ります。

2.アメリカのミールキット市場と越境ECの可能性

アメリカにおいては、2012年にミールキットビジネスが導入されて以来、多くの企業が市場に参入し、その市場規模は急速に拡大しています。調査によると、2015年の市場規模は約10億ドルでしたが、2020年には100億ドルを超える規模に成長すると予想されています。この急成長の背景には、競合企業の増加とそれぞれの独自性を前面に出したプロモーションがあり、各社は生き残りをかけた戦略を展開しています。

アメリカのミールキット市場は特に共働きのミレニアル世代をメインターゲットとしています。ミレニアル世代は、成人から30代半ばまでの範囲で、アメリカにおいて最も人口が多い世代です。この世代は共働きが一般的で、ECサイトでの購入に抵抗がありません。そのため、共働き世帯が仕事と家庭を両立させる一助としてミールキットが広く受け入れられ、ECサイトを中心としたミールキットビジネスが成功しています。

また、ミレニアル世代は健康意識が高く、オーガニック食材やヘルシーなメニューを好む傾向があります。ビーガンの割合も高く、企業はターゲット層に合わせたメニューを提供しています。

この市場動向は、越境ECにおける大きな機会を示しています。日本の企業がアメリカ市場にミールキットビジネスを展開する場合、ミレニアル世代のニーズに応えるヘルシーで多様なメニューを提供することが成功の鍵です。また、オンラインでの販売、効率的な国際配送や現地流通網との連携、ecサイトや国際的なモールでの出店戦略を駆使することで、アメリカ市場での越境取引を促進し、ビジネスを成功に導くことが可能となります。

3.アメリカの主要ミールキット企業と越境EC戦略

アメリカで展開するミールキットサービスは、それぞれの独自性を前面に出しており、他社との差別化に成功しています。主に以下の3つのタイプの企業が市場をリードしています。

・高品質メニューの提供:
ブルーエプロン、ハローフレッシュ、サンバスケット、ホームシェフなどは、高品質の食材を使用した豊富なメニューで自宅での料理体験を提供しています。

・時短料理の提供:
ゴブル、ディナリー、アマゾンは、忙しい消費者向けに短時間で調理できるメニューを提供し、便利さをアピールしています。

・特化メニューの提供:
ラーメンヒーロー(ラーメン専門)、バーガーボックス(ハンバーガー専門)、パープルキャロット(ビーガン専門)などは、特定の料理や食生活に特化したメニューで市場ニッチを獲得しています。

越境ECビジネスにおいて、これらの企業の戦略を分析することは非常に有益です。特に日本の企業がアメリカ市場に参入する場合、これらの企業の成功事例を参考にして、自社の商品やサービスをwebを通じて国際的に販売し、新しい市場を開拓することが可能です。ecサイトや国際的なモールでの出店を通じて、越境取引を展開し、グローバル市場での競争力を強化することが重要となるでしょう。

さらに、スーパーマーケットの店舗でミールキット販売を拡大しているトレンドは、越境ECの枠を超え、オフラインのリテールチャネルとの組み合わせも視野に入れるべき戦略といえます。これにより、多様な消費者ニーズに応えつつ、国際市場でのブランド認知度を高めることが可能となります。

4.将来の展望

オイシックス・ラ・大地株式会社によるPurple Carrotの子会社化は、ビーガン食100%に特化したミールキット宅配を展開する新たな一歩です。アメリカでは、健康意識の高まりや食肉消費の環境影響への懸念から、ビーガン食市場が拡大しており、2020年には約250億ドルまで成長すると予測されています。

一方で、ユネスコ無形文化遺産に登録された日本食は、アメリカ国内での人気が高まっています。健康志向の高まりに伴い、日本食がミールキットビジネスの主要ターゲットであるミレニアル世代にとって魅力的な選択肢となっています。

オイシックス・ラ・大地は、今後、Purple Carrotの子会社化を通じて、アメリカ市場におけるビーガン食と日本食を組み合わせた独自のミールキットメニューを展開し、競争の激しい市場で差別化を図ることが予想されます。この組み合わせは、越境ECにおける新しいビジネスモデルとして注目されており、アメリカでの事業展開の成功は、他の日本企業にとっても重要な参考事例となるでしょう。

さらに、日本国内でのビーガン食ミールキットの展開も予想されており、国際的なモールやECサイトを通じた販売、効率的な配送システムの活用が、越境取引の拡大に貢献すると考えられます。

今回のビジネス提携は、日本企業がアメリカ市場で事業を展開し、成功を収めるための戦略の一例として、また、アメリカ企業が日本市場に参入するための参考としても重要です。越境ECを活用した今後の食品ビジネスの動向は、世界的な食品業界のトレンドを左右する可能性があり、業界全体に大きな影響を与えることが期待されます。

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