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IT・EC・インターネット
2022.09.21

Eコマースの先にあるMコマースとは?

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1.はじめに

世界では63億7800万人もの人がスマートフォンを所有しており、モバイル端末は人々の日常生活の一部となっています。

特にミレニアル世代とZ世代は、24時間365日、スマートフォンとともに過ごしています。朝起きたら、メッセージやメール、ニュースを確認し、寝る直前まで、動画を鑑賞したり、ソーシャルメディアをスクロールしたりしています。

その他にも、請求書の支払い、天気のチェック、道案内など、日々のタスク対応にもスマートフォンを活用しており、近年ではモバイル端末でオンラインショッピングをすることも一般的です。

このような背景もあり、現在モバイルコマースが注目されています。本稿では、モバイルコマースの概要とメリットについて紹介します。

2.モバイルコマースとは?

モバイルコマースは、Mコマースとも呼ばれ、携帯電話やタブレット端末などのモバイル機器を使用して行う金銭的な取引を指します。例えば、以下のようなものが挙げられます。
● モバイル送金
● 電子チケットや搭乗券・乗車券の購入
● デジタルコンテンツの購入と配信
● モバイルバンキング
● 非接触型決済やアプリ内決済
● モバイルマーケティング、クーポン、ポイントカード

モバイルコマースは、電子商取引(Eコマース)を発展させたもので、携帯電話やタブレット端末を使うだけで、ほとんどどこからでも商品やサービスの売買ができるようになります。

しかし、モバイルコマースは、単なる電子商取引の進化にとどまりません。新しい産業やサービスを生み出すきっかけとなったり、既存の産業が成長するのに役立ったりしているものもあります。

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3.モバイルコマースの種類

3−1.モバイルコマースの種類

モバイルコマースは様々な取引を対象としていますが、大きく分けて以下3つのタイプのいずれかに分類することができます。

● モバイルショッピング
モバイル・ショッピングはEコマースとほぼ同じですが、iPhoneやAndroidからのアクセスに最適化されています。モバイル用に最適化されたウェブサイト、専用のショッピングアプリ、さらにはソーシャルメディア・プラットフォームを通じて買い物することが可能になっています。

● モバイルバンキング
モバイルバンキングは、オンラインバンキングとあまり変わりませんが、モバイル端末では、一部の取引に制限がある場合があります。モバイルバンキングでは、通常、専用アプリを使用しますが、一部の銀行では、チャットボット(自動会話プログラム)やメッセージングアプリを使用する実験が始まっています。

● モバイル決済
モバイル決済のオプションは非常に多様です。以下で詳しく紹介します。

3−2.モバイル決済の種類

モバイルコマースでの支払い方法については、さまざまなソリューションから選択することができます。

しかし、モバイルサイトの運営という視点から見ると、自社サイトでどの決済方法を提供するかを決めることは重要なポイントとなります。なぜなら、ほとんどの顧客が迅速かつ便利な決済方法を求めているからです。顧客が購入するたびにクレジットカードの詳細や個人情報を入力するという面倒なステップを省くことができれば、コンバージョン、売上、ロイヤルカスタマーの増加につながることが期待できます。

ここでは、最も一般的なモバイル決済の種類を簡単に説明します。

3−2−1.モバイルウォレット(別名:デジタルウォレット)

モバイルウォレットを使用すると、顧客はデビットカードやクレジットカードの詳細(番号や、名義人、有効期限など)、配送先住所、その他の支払いに付随する情報がモバイル端末に保存されます。そのため、顧客は購入のたびに面倒なカード情報や個人情報を再入力する必要がなく、代わりに、数回クリックするだけで迅速かつ便利にチェックアウトすることができます。

主要なモバイルウォレットとしては、以下のようなものがあります。
● Apple Pay
● Google Pay
● Amazon Pay
● PayPal
● Samsung Pay

3−2−2.非接触型モバイルペイメント

非接触型モバイルペイメントは、店舗での支払い体験をスムーズなものに変えてくれます。

顧客がすでにモバイルウォレット(例えば、Apply Pay、Google Pay、Samsung Payなど)に支払い情報を登録している場合、実店舗で支払いをする際にモバイルウォレットを利用することができます。クレジットカードやデビットカードをかざす、あるいは現金で支払うのではなく、店頭の端末にスマートフォンを近づけるだけで、決済の認証と送信を行うことができます。

3−2−3.クローズドループ型モバイルペイメント

クローズドループ型モバイルペイメントは、ユーザーが決済のたびにカード情報や個人情報を再入力するのではなく、一度だけ決済情報を入力するだけで良いという点は、モバイルウォレットと同じです。

ただし、クローズドループ型モバイルペイメントは、1つのブランドのモバイルアプリにのみリンクされています。つまり、顧客がブランド独自の支払い口座やギフトカードにお金をチャージし、残高を確認したり、お金を追加したり、オンラインや店舗で支払いを行ったりすることができます。

以下は、クローズドループ型モバイルペイメントの代表的な例です。

● Walmart Pay
● Starbucks
● Taco Bell

3−2−4.送金

モバイルバンキングのアプリで送金するのではなく、さまざまなプラットフォームを通じて、迅速かつ安全に送金することができるようになりました。例えば、以下のようなものが挙げられます。

● PayPal
● Google
● Venmo
● Cash App
● Facebook Pay

3−2−5.モバイルPOS(Point-of-sale)

モバイルPOSシステムとは、スマートフォンやタブレットなどのモバイルカードリーダーで、無線で取引を処理することでレジの役割を果たすシステムです。

モバイルカードリーダーは、モバイル端末さえあれば利用でき、どこでも持ち運び可能で比較的安価なため、小規模ビジネスにとっては最適な選択肢となり得ます。これらのシステムの中には、複数のEコマース・プラットフォームと統合できるものもあり、オンラインと実店舗の売上や在庫を自動的に同期させることができます。

モバイルPOSで人気のシステムには、以下のようなものが挙げられます。

● Clover
● Lightspeed
● Square

4.モバイルコマースのメリット

少し前までは、モバイルアプリの作成やモバイルフレンドリーなプラットフォームへの切り替えは、AmazonやWalmartのような大企業だけの選択肢でした。近年、モバイル化のコストが下がるにつれ、大企業、中小企業にかかわらず、より多くの企業がその恩恵を受けることができるようになりました。

モバイルコマースの主な利点には、以下のものがあります。

4−1.顧客体験の向上

Eコマースの登場は、ショッピングの方法を大きく改善するものでした。店舗に足を運ぶ代わりにデスクトップ・コンピュータから買い物ができるようになったことで、顧客はより幅広い製品にアクセスし、価格を素早く比較し、自宅にいながら買い物をすることができるようになったのです。

しかし、現在では、デスクトップパソコンがなくても、ポケットにスマートフォンさえあれば、これらのことができるようになりました。

さらに、モバイルコマースの性質上、Eコマースにはない以下のような特徴があります。

● モビリティ:ノートパソコンは持ち運びが可能ですが、ノートパソコンを常に携帯している人はそこまで多くないでしょう。しかし、スマートフォンを持たずに外出する人はまずいません。
● リーチャビリティ:SMSのプッシュ通知機能により、オンラインショップは外出先にあるより多くの顧客にリーチすることができます。
● 位置情報の取得:GPSやWi-Fiを利用してユーザーの位置を特定し、その場所に応じたパーソナライズされたコンテンツを提供することができます。

4−2.驚異的な成長性

モバイルコマースはすでに多くのユーザーを抱えていますが、業界の成長はとどまるところを知りません。2021年には、モバイルコマースの売上は、米国の全小売売上高の6%を占めているという数値もあります。さらに、2025年には、モバイルコマースの売上が米国の全小売売上高の10%以上を占めるようになるとの予測があり、これは2018年から7%ポイント増の大きな成長となる見込みです。

4−3.真のオムニチャネル体験

オムニチャネルコマースとは、ECサイト、Amazon、eBay、Instagramなど、複数のチャネルを通じて店舗とオンラインの両方で販売し、すべてのタッチポイントでシームレスな体験とまとまりのあるブランドメッセージを実現することを指します。

しかし、それ以上に、オムニチャネル体験の構築とは、お客様が好きなときに好きな場所で、より簡単に購入できるようにすることです。ほとんどの顧客がスマートフォンを常に手にしていることを考えれば、オムニチャネルコマースにとってモバイル端末は理想的なメディアといえます。

4−4.多彩な支払い方法

購入プロセスのさらなる利便性を目的として、Apple Pay、PayPal One-Touch、Visa Checkout、Amazon Payなど、新しい決済オプションが次々と生まれています。

多くのEコマースサイトがワンクリックチェックアウト機能を提供するようになり、顧客は一度だけ支払い情報を入力すれば、その後は購入するたびにワンクリックオプションを利用できるようになりました。

5.海外進出・海外展開への影響

モバイルコマースは単なるトレンドではなく、今後も続いていく現象です。スマートフォンがコミュニケーション、情報収集、そしてオンラインショッピングの中心的存在となるにつれ、モバイルコマースはEコマース小売業者にとって必要不可欠なものとなっていくことでしょう。

もちろん、モバイルコマースは、顧客にとっての選択肢の一つとして提供するものであり、他の選択肢を用意しなくても良いということではありません。効果的なオムニチャネル戦略を維持するためには、モバイルサイトやアプリが単独で存在するのではなく、他のチャネルと無理なく融合していることが重要です。モバイルコマースの根底にあるのは、顧客がどこにいても対応でき、便利でまた購入したいという体験を提供することだということを忘れてはいけません。

日本企業が海外進出する際にも、モバイルコマース導入をお勧めします。より良い消費者体験の創出は、ブランドの価値も高めてくれることでしょう。

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