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IT・EC・インターネット
2023.10.03

AR(拡張現実)とVR(仮想現実)の違いとは:米国市場でのビジネス活用の高まり

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1.はじめに

近年のデジタル技術の急速な進化によって、ビジネスの構造、コンシューマーの行動、そして市場の動向が大きく変わってきています。国際的にビジネスを成長させるためには、テクノロジーの変革を理解し、適切に取り入れることは不可欠といえるでしょう。

特に、AR(拡張現実)とVR(仮想現実)は、これらの技術変革の中でも注目されるトピックの一つといえます。米国をはじめとして、ARを活用したカスタマーエクスペリエンスの向上が進んでおり、新しいマーケティングやビジネスチャンスの創出に繋がっています。

日本においても、AR/VRの技術開発が進んでいますが、国際市場での展開や活用の仕方には、まだ潜在的な可能性が眠っています。国境を越え、さらに幅広い顧客層にアプローチするためには、米国で会社を設立し、現地法人を運営していくことも視野に入れると良いでしょう。現地で拠点を持つことで、市場に近接し、市場の動向や競合状況をリアルタイムで把握できるメリットがあります。

本稿では、米国市場におけるAR/VR技術の利用の動向や成功事例を参考に、海外進出に向けて日本企業がどのような戦略を練るべきなのか、詳しく解説します。

2.ARとVRの基本的な違い

2-1.AR(拡張現実)とは?

AR(拡張現実)は、現実の物理的な環境にデジタル情報やオブジェクトを重ねて表示する技術を指します。スマートフォンやスマートグラスなどのデバイスを使用し、実際の風景や物体にデジタルデータが重ねて表示され、新しい情報や経験を提供します。例えば、歴史的な建造物を鑑賞しながら、その建造物に関する詳しい情報や歴史的背景を、ARを通じてリアルタイムで得ることができます。

2-2. VR(仮想現実)とは?

VR(仮想現実)は、完全にデジタルで生成された環境に、ユーザーを没入させる技術です。VRヘッドセットを使用することで、ユーザーは現実世界から切り離され、仮想空間での体験が可能となります。この仮想空間は、ゲーム、教育、トレーニングなど、様々な目的で利用され、ユーザーに没入感や臨場感を提供します。

2-3.両者の主な違い

ARとVRの一番の違いは、現実との関係性にあります。ARは、現実の環境を基盤とし、それにデジタル要素を加えることで拡張します。一方、VRは、ユーザーを完全に異なるデジタルの世界に引き込みます。

ARは現実世界に依存しており、その中での情報追加や相互作用の強化が主な目的ですが、VRは現実からのエスケープや全く新しい体験の提供に焦点を当てています。

3.ビジネスにおけるARの有効性

3-1.ビジネスにおけるARの広がり

ARは、ビジネスの様々な場面で効果的に利用できる有効性を持っています。例えば、商品のデモンストレーションやインストールガイドとして、顧客が実際の製品やサービスに触れる前に情報を提供することができます。また、店舗や展示会でのナビゲーションのサポート、マーケティングキャンペーンの一環としての体験型広告など、顧客エンゲージメントを向上させる方法としても有効です。さらに、研修や教育の場面での実践的なトレーニングツールとしても利用されることも増えてきています。ARは、現実の環境とシームレスに統合できるため、日常のビジネス活動において効果的に活用できます。

3-2.ARの具体的な活用シーン

● 製品デモンストレーションとインタラクティブなエクスペリエンス
家具や家電、ファッションアイテムといった商品の場合、ARを使って顧客の実際の空間や身体に合わせて商品を試すことが可能です。このようなインタラクティブなエクスペリエンスは、顧客の購買意欲を高めるだけでなく、購入後の満足度も向上させることが期待されます。顧客は製品を仮想的に配置し、その見た目や適合性をあらかじめ評価できるため、購入前により自信を持って選択することができ、不安や後悔を軽減する助けになります。

● 顧客エンゲージメントの向上
ARを活用したマーケティングキャンペーンやイベントは、参加者に固有の体験を提供し、ブランドへの関心を高めることができます。また、ソーシャルメディア上での共有可能なARコンテンツは、ブランドの認知度を一気に高める効果もあります。ARを使用することで、消費者はブランドの製品やサービスをより深く理解し、利用することで感情的なつながりを築くことができます。これにより、顧客はブランドに対するロイヤリティを深め、口コミやソーシャルメディアでの共有を通じて、他の人々にもブランドを紹介する可能性が高まります

● オンサイトトレーニングとサポート
製造業や建築業など、専門的なスキルが求められる分野でのAR利用が増えています。ARゴーグルやタブレットを使用することで、従業員はリアルタイムでの指示やフィードバックを受け取ることができ、効率的かつ安全な作業が実現されます。従業員は、現場で必要な情報を視覚的に取得し、トレーニング中や実際の作業時に即座に応用できるため、スキル向上が促進されます。

● 位置情報サービスとナビゲーション
ARを活用した位置情報サービスやナビゲーションは、都市や観光地、大型施設内での移動を劇的に簡単にします。ユーザーはスマートフォンやARグラスを通じて、目的地へのルートや周辺の情報、推奨されるスポットなどの情報を直接視界に重ねて表示される形で受け取ることができます。これにより、新しい場所でも迷うことなく、また新しい発見や体験を楽しむことができます。

4.ビジネスにおけるVRの有効性

4ー1.ビジネスにおけるVRの広がり

ビジネスにおけるVRの有効性は、その没入型の体験にあります。VRは、顧客やステークホルダーに製品の実際の使用感や機能を体感させることができます。製品を仮想環境で試すことで、顧客は製品に対する理解を深め、購買意欲を高めることができます。また、リアルな状況下でのトレーニングが必要な場面での活用が増えています。特に、高度な技術や複雑な操作を必要とする分野では、VRを使用して、安全かつ効果的なトレーニングプログラムを体験することができます。これにより、従業員は実際の状況に慣れることができ、ミスを最小限に抑え、スキルを向上させることができます。

4-2.VRの具体的な活用シーン

● 完全没入型の製品体験
VRは、その没入型の特性により、製品やサービスの体験をより直感的かつ現実に近い形で提供することが可能です。例えば、自動車メーカーは、実際に車を運転する感覚や内装の細部を確認するためのVRデモを提供することができます。また、不動産業界では、まだ建設されていない建物の内部や周囲の環境を仮想的に体験することで、顧客の購買意欲を刺激することが期待されます。このような完全没入型の製品体験は、顧客の購買決定に大きな影響を与える可能性を秘めており、製品やサービスの魅力を効果的に伝える手段として高く評価されています。

● 訓練・教育のシミュレーション
VR技術を利用した訓練や教育は、従来の方法よりも効果的でリスクが低いとされています。医療分野では、手術のシミュレーションを行い、実際の手術前に技術や手順を練習することができます。製造業や建築業では、危険な状況を再現したシミュレーションを通じて、安全対策や緊急時の対応を学ぶことができます。これらのシミュレーションは、実際のリスクを伴わずに高度なスキルを習得する手段として、多くの業界で採り入れられており、従業員の能力向上と作業効率の向上に貢献しています。

● 仮想的なコラボレーションとチームビルディング
リモートワークの増加に伴い、VRは新しい形のコラボレーションやチームビルディングのツールとしての注目を集めています。VR空間内でのミーティングやワークショップは、参加者が物理的に同じ場所にいなくても、同じ空間にいるかのような感覚を得ることができます。遠隔地にいるメンバー同士でも、仮想空間内で直接対話し、アイデアを共有し、プロジェクトに取り組むことができます。これにより、チーム間のコミュニケーションや結束感が向上し、より効果的な協力やアイデアの共有が促進されるでしょう。

5.米国のSNSトレンドとAR/VRの関係

米国市場におけるAR/VRのビジネスチャンスは、拡大するユーザーベースとその利用シーンの多様化に後押しされています。ここでは、2022年4月のレポート( https://www.insiderintelligence.com/content/ar-vr-enter-mainstream )をもとに、米国のAR/VR市場のトレンドについて紹介します。

2024年には、米国のARユーザー数は1億人を超えると予測されています。2022年時点でのユーザー数は8,940万人と推計されており、今後も成長傾向が続くと期待されています。具体的には、2022年から2025年にかけて、2,000万人以上の新たなユーザーがARを利用するようになると見込まれています。

2022年末には、米国のインターネットユーザーのAR利用率は29.7%に達する見込みで、2025年には、35.5%に上昇すると予測されています。この成長の背後には、ソーシャルメディアによるAR利用の促進があります。

Snapchat、Instagram、TikTokなどのソーシャルメディアプラットフォームで提供されるARフィルターやレンズが、多くのユーザーに初めてARの体験をもたらしています。そして、これらのユーザーの多くが、継続的な利用者となることが予想されており、2022年には、米国で5,600万人以上のユーザーが、月に少なくとも1回はソーシャルメディア上でARを体験すると考えられています。

これらのデータを踏まえると、AR/VRのビジネスチャンスは、特にソーシャルメディアとの結びつきを強化することで拡大する可能性が高いと言えます。米国市場に進出を検討する日本企業は、米国での現地拠点の構築や会社設立を積極的に検討し、独自のAR/VR戦略を展開することが重要です。現地拠点を持つことで、地元のネットワークを活用し、ソーシャルメディアプラットフォームやAR/VRの重要なプロモーターと連携する機会が増えることでしょう。地元のパートナーシップや業界コネクションを築くことで、ソーシャルメディア上でのプロモーションやコラボレーションが容易になり、ビジネス展開に寄与することが期待できます。

6.海外進出・海外展開への影響

米国市場への進出は、日本企業にとって大きなビジネスチャンスとなりますが、その成功の鍵は、現地の消費者との適切な繋がり方、テクノロジーとの適切な連携、そして競争力を維持・向上させるための戦略にあります。

まず、米国の消費者との繋がり方を理解することは極めて重要です。米国市場は多様性に富んでおり、様々な背景や価値観を持つ消費者たちに合わせて、マーケティングやサービス提供を行う必要があります。特にデジタル技術やAR/VR技術を駆使して、ソーシャルメディアを介した新しいコミュニケーション手法や、体験型のサービス提供を検討しましょう。

次に、AR/VRスタートアップとのパートナーシップは、新しい市場での足場を固めるための強力な手段となります。米国には多くの先進的なAR/VRスタートアップが存在し、彼らとの連携により、技術の導入やサービス開発を迅速に進めることが可能です。そのため、自社の現地拠点を持ち、米国のスタートアップとの積極的なコラボレーションや共同開発を進めることで、市場でのリーダーシップを築くチャンスを掴むことができます。

最後に、競争力を高めるための戦略を持つことが不可欠です。米国市場は、高度な技術やサービスが求められる一方で、競争も非常に激しいため、常に自社の強みを明確にし、それを活かしたサービス展開やブランド構築を行う必要があります。そのためには、米国に現地法人を設立することで、市場に近い立場から、市場調査や消費者のフィードバックを継続的に取り入れ、迅速にビジネスモデルや戦略を適応・改善していくことが可能となります。米国市場はビジネスチャンスが豊富ですが、成功には地道な努力と適切な戦略が必要です。市場を理解し、柔軟性を持ちながらビジネス展開を進めることが重要です。

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