2019.8.5
海外営業支援

アメリカにおける日本酒市場の拡大

はじめに

2013年に「和食」世界無形文化遺産に登録されて以降、海外で日本食の人気が高まっています。このブームは食べ物だけではなく、飲み物についても同様です。特に、日本の伝統的なアルコール飲料である日本酒は毎年海外輸出料を増加させており、海外での注目度が伺えます。その中で、日本酒の輸出先の最大国はアメリカとなっており、なんと全体の輸出量の約四分の一を占めているのです。
本記事では、アメリカにおける日本酒マーケットの現状と将来性について、紹介していきます。日本国内の日本酒生産量が減少している中で、日本の伝統工芸品ともいえる日本酒の生き残りの道は海外に見いだせるのかもしれません。

日本国内の日本酒市場
日本国内の酒造メーカーを取り巻く環境は非常に厳しいものです。実は、日本国内の日本における日本酒(清酒)の消費量は年々減少しており、40年前に比べ約3分の1にまで日本酒の消費量が落ち込んでいます(参考:国税庁「お酒のしおり」平成30年版)。また、酒造メーカーの数自体も大きく減少しており、昭和30年代には4,000社もあった酒造メーカーが平成27年度には1,400社程度までに減少しているとのデータがあります。今後もこの傾向は継続するものと考えられています。
このような市場規模が縮小には日本人の日本酒離れとともに、日本酒づくりの担い手が少なくなっていることも大きく関係しています。実は、日本酒メーカーの特徴として、一部の大手を除き、多くが地域密着型の小規模経営ということが挙げられます。このような地元の酒造りを営んで来た古いメーカーでは、杜氏や蔵人という日本酒造りに欠かせない職人が減少しているのです。職人の高齢化が進む中、担い手が増えない現状が続くと、貴重な日本酒作りの技術が次世代に引き継がれないまま失われてしまうことでしょう。
アメリカにおける日本酒市場の拡大
前述のように国内の日本酒市場が縮小している一方で、海外での日本酒市場は年々拡大しています。具体的な数値を見ていきましょう。最新のデータによると、2018年の日本酒の輸出量は2,574万6,831リットルで前年比10%増、金額は222億3,150万7000円で19%増となりました。実は、日本酒の輸出については年々増加しており、10年前と比較すると、輸出金額は3倍、輸出量は2倍になっています。その中で、輸出先の第一位がアメリカです。アメリカへの輸出規模は、数量(5951キロリットル)、金額(63億1300万円)と、それぞれ輸出全体の23%、28%となっています。
もともと、アメリカ国内での日本酒は日本食レストランで日本人向けに提供されていたものでした。しかし、日本酒の知名度がアメリカでも上がり、現在では多くのレストランやバーなどで、現地の人で一般的に「SAKE」として楽しまれています。しかし、当初は日本酒の多様性や美味しい日本酒に関する知識が乏しく、管理の悪さ故に味の悪い日本酒が店頭に出されることもよくありました。
このような状況を改善するために一役買っている団体として「The U.S. National Sake Appraisal」があります。これは日本国外で最も長い歴史を持つ日本酒の品評会であり、2001年の開催初年以降、厳正な審査を実施しています。また、関連イベントとして、一般公開利き酒会を世界各都市で開催するなど、日本酒人気と知識の向上を含め、アメリカでのと日本酒市場の開拓に大きく貢献しています。また、海外の品評会で受賞した日本酒が日本国内で人気再燃するなど、国内市場にも良い影響を与えているといえます。
アメリカで増えるクラフトSAKE
アメリカでの日本酒の人気の高まりとともに、アメリカ国内における酒造工場も増えています。アメリカの酒造情報およびレビューサイトであるUrbanSake.comによると、2000年には5軒程度だったものが、2017年時点では21軒にまで増えているとのことです。
例えば、2018年1月には、アメリカ・ニューヨークで初めての酒蔵「ブルックリン・クラ」が事業を開始させました。この酒造は日本酒に魅了された二人のアメリカ人によって運営されています。ブルックリン・クラでは地域社会と深く結びついた酒蔵を目指しており、新鮮で美味しい日本酒を地域に提供することはもちろんのこと、タップルームをワークショップやイベントのスペースとして活用しながら、日本酒の教育にも力を入れていくそうです。最先端カルチャーの発信地ともいわれるブルックリンにおいて、日本酒を発信してくれるこの酒造は多様な楽しみ方を、ニューヨーク、そしてアメリカ全土に広めてくれると期待されています。
日本企業の活路
日本国内での日本酒業界は縮小の一途であり、今後も厳しい状況が続きます。このような日本国内の需要低迷の中で、日本の酒造メーカーの活路は海外にあるといえます。日本酒の輸出は年々増えており、海外生産の動きも出ています。実際に「獺祭」で有名な旭酒造では、2020年からアメリカ・ニューヨーク州における海外生産を開始する予定です。アメリカの米と水で最高品質の日本酒を造ろうという新しい試みです。
また、文化、ファッション、アニメなど様々な日本のコンテンツを海外に発信している「クールジャパン」施策では、「日本酒と関連分野を組み合わせた海外富裕層向けマーケティングモデルの構築」がプロジェクト採択されており、日本酒を「世界の酒」にする動きが強まっています。
このように全世界的な日本食ブームとともに、政府のクールジャパン施策、日本からの積極的な海外進出を受けて海外での日本酒人気がさらに盛り上がりを見せています。海外のトレンドをしっかりとリサーチして上手くブランド戦略を行えば、海外進出で日本の日本酒メーカーが大きく成長する可能性があるでしょう。
参考記事

Craft sake takes experimental turn in U.S. as popularity grows

American Duo Brings Sake Brewing to Brooklyn

Maker of premium sake Dassai to build brewery in New York, its first outside Japan

参考文献

酒のしおり(平成30年3月)|国税庁

全米日本酒歓評会 | U.S. National Sake Appraisal

日本酒造組合中央会2019年2月7日

2019.6.28
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アメリカでブームのラーメンとは

はじめに

2013年に「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されたこともあり、ここ数年世界から日本の食べ物が注目されています。ある調査では 「好きな料理かつ外食で食べる料理」 として日本食が 1位を獲得したほどです。このような背景の中で、日本では「手軽な外食」としての位置づけがあるラーメンが、国内とは少し異なる形で世界進出する姿も頻繁に見られるようになってきました。本記事では、世界のラーメン市場について紹介するとともに、ラーメン店の世界進出で成功を収めるポイントについて考えていきます。

アメリカのラーメン市場

近年アメリカではラーメンブームの波が、西海岸・東海岸の都市部を中心に押し寄せています。店舗数拡大の勢いは右肩上がりで、地域によっては近隣地域で複数のラーメン屋が乱立し、しのぎを削っています。日本以上に人気を博し、行列が続く店舗も散見されます。また、日本人オーナーや現地のアメリカ人オーナーなど営業形態には多様性があり、客層もラーメンに慣れ親しんだ日系人だけではなく、Ramen Noodleとして、現地の様々な人種の方に親しまれています。このような観点からは、一部の人に流行するという意味での「ブーム」は過ぎ、ローカルの幅広い層の人々に受け入れられ、「定着」しているように見受けられます。

アメリカ(カリフォルニア)のラーメン市場の現状
アメリカではアジア系住民の割合が多く、アジア系フードビジネスが盛んです。ただし、アジア系ビジネスに対しては「安さ」を売りにしたビジネス展開が従来のメインストリームでした。

ラーメンに関しても、アメリカ人の中では「ラーメン」といえば「インスタントヌードル」というイメージが従来強くありました。実は、アメリカにおける日本のインスタントヌードルの販売の歴史は古く、日清やマルちゃんなどの大手企業は1950年代からアメリカでインスタントヌードルの販売を始めています。

当時のインスタントヌードルはその安さや調理の簡易さから学生層を中心としてアメリカ国内で人気を得ました。さらに、低所得者層にも受け入れられるようになり、ラーメンに対して「お金のない人の食事」というイメージが定着して行くようになったのです。

しかし、ここにきて「おしゃれ」で「高級」なラーメン店が注目を浴びるようになってきました。流行の先端を行くアメリカの大都市、ロサンゼルスでは趣向に工夫を凝らした新しいタイプのラーメン店や、日本の味を再現した本格派のラーメン店が人気となっているのです。

さらに、貧乏食のとして確立されていたインスタントヌードルさえも「プレミアム戦略」と呼ばれる高級な小麦粉や具入りのスープを使ったインスタントヌードルが近年大きな売り上げ増を見せています。

ロサンゼルス・サンフランシスコにおけるラーメン1杯の値段は15ドル程度から、チップや税金を合わせると20ドルを超えることも珍しくありません。(それでも、日本に比較して物価の高いこれらの都市では安い食事とも捉えられます)

久留米で人気のラーメン店「TATSUNOYA」がロサンゼルス・パサデナに進出
例えば、福岡県久留米市で人気を博しているラーメン「龍の家」が、ロサンゼルスのパサデナに海外1号店をオープンしています。落ち着きのあるこじんまりとした街ですが、その中でも行列ができています。

こちらでは、定番の人気ラーメンに加え、現地にローカライズしたラーメンも提供しています。

 

カスタマイズで人気のラーメン店「Tatsu ラーメン」

また、ロサンゼルスには、日本人経営でありながら、あえてアメリカナイズしたラーメンを提供し、話題のラーメン店があります。

「Tatsu ラーメン」では、入店後すぐの場所にiPadを設置しており、着席前にラーメンの種類、トッピング、サイドメニューや飲み物などあらかじめ注文します。ここでは、麵の方さや辛さの程度など細かい注文が可能で、自分好みにカスタマイズができると人気となっています。

様々なラーメンショップがしのぎを削る中で、他店と違うオリジナリティを見せることは重要です。日本と同じ味を再現するだけではなく、アメリカ人の好みを考え、おしゃれな空間づくりをすることが成功の秘訣ともいえるでしょう。

 

ラーメン凪
シリコンバレーにも、日本から進出したラーメンショップ、東京で人気を博す「凪」もあります。日本以上に長い行列を作り、ローカルの人々に受け入れられています。ショッピングモールへの出店も行っています。

 

RAMEN EXPO USA(2017年に初めて開催)

日本では、全国の人気ラーメン店が集結するフードフェスタとして、ラーメンエキスポやラーメン祭りが人気となっていますが、アメリカでも2017年よりラーメンに特化した展示会が開催されています。

2017年にテキサス州オースティンで開催された、「RAMEN EXPO USA」には、日系企業約30社が参加し、ラーメン業界の業務用食材や茶などの飲料、設備などの展示を行いました。全米初のラーメン専門産業展示会でしたが、2日間で約4,200人が来場し大盛況に終わりました。2018年にテキサス州ダラスで第2回目が開催され、2019年にも第3回目としてシカゴで開催が予定されています。

 

世界のラーメン市場

世界的にラーメンが脚光を浴び、認知度が高まるに伴って、日本のラーメン店の海外進出の動きが加速しています。ここでは、ラーメン店の海外進出における今後の展望や、事業を海外展開させる中で企業が直面する課題について考えます。

 

世界的にブームのラーメン市場
近年、世界各地でラーメンが人気となっています、ここでは海外のラーメンビジネスの具体例を紹介するとともに、将来の展望について触れていきます。

タイでは、日本式のラーメンの中でも、特にこってりとした豚骨ラーメンが人気です。地元のレストランに比較すると、高級な食事となりますが、中産階級以上の金銭的余裕のある層において、家族でラーメン店を楽しむスタイルが浸透しています。

香港では、90年代後半からラーメンが進出していましたが、現在ではより高品質のラーメンが注目されています。味にこだわった高級志向のラーメン店は行列ができるほどのブームになっています。

ヨーロッパの事例も見ていきましょう。例えば、パリには様々な日本食レストランがあります。ただし、日本食といっても、経営者は日本人だけでなく、中国人、韓国人など様々です。その中で現在は、日本人経営の本格派のラーメンに多少値が張ったとしても人気があります。つまり、舌の肥えたパリの人々に対して、日本のラーメン店が事業展開するチャンスは大きいといえるでしょう。

このように、日本ではB級グルメとして愛されているラーメンですが、海外では “日本文化はかっこいいもの”というイメージが定着し、ラーメンに対しておしゃれなレストランで友人や家族と楽しむものとしての認知が高まっています。そのため、日本に比較して客単価が2倍以上になることもあり、海外店舗は稼げるビジネスモデルとして日本国内のラーメン業界から注目を集めているのです。

 

海外現地でのビジネス、中小企業、マーケティング

近年、これまで海外進出をためらっていた中小企業が海外進出に向けて具体的な取り組みを始めることが多く見られるようになりました。この要因としては内需の縮小や停滞気味の国内景気の影響が考えられるでしょう。

チャンスを求めて海外進出へ動く企業が増える一方で、風俗・習慣・制度の違いなどから、現地でビジネスを成功させることの難しさに苦労する企業も多くいます。また、海外進出する際には、現地のルールに沿った手続きが必要ですが、制度や規則が急に変更になることもありは誰でも簡単にというわけにいかないのが現実です。

海外進出を成功させるためには、現地の風習を十分理解している人材確保を確保し、現地ニーズを分析した上で、しっかりと計画を立てることが重要です。

 

販路開拓、展開

前項で説明した通り、日本の企業が海外に販路を開拓したり、海外で事業展開したりする際のハードルは易しいものではありません。特に、中小企業には海外展開のノウハウがないことも多く、自社で海外進出のプロセスを進めていくのは非常に困難なものとなるでしょう。そこで、企業の海外進出支援を行っているサービスを活用するのも方法のひとつです。

 

まとめ
現在、日本国内には4万軒ものラーメン店があり、市場規模は5000~7000億円とも言われています。しかしながら、国内の需要には行き詰まり感、飽和感が見られており、今後の成長幅が大きいとは言えません。そんな中、近年急成長を見せる海外のラーメン市場が注目を浴びています。

日本食、ラーメンへの認知度が高まり、脚光を浴びる中、日本のラーメン店の海外進出の動きが加速しているのです。現在は1000億規模ですが、今後は国内と同等規模まで成長すると見込まれています。このチャンスを手にしようと日本から海外へ進出する企業も多くなっていくでしょう。

しかしながら、実際にビジネスを成功させることは簡単ではなく、日本でのやり方そのままというわけにはいきません。現地のニーズや慣習をしっかりと把握したうえで、海外進出に伴う手続きを進めていく必要があるのです。しかし、個人店舗の多い日本のラーメン店にとって、このような海外進出のノウハウを得ることはハードルが高いといえます。

そこで、企業向けに海外展開をサポートするサービス利用して、海外への事業展開を進めていく準備をしてはいかがでしょうか。海外の知識やノウハウに長けた専門の支援を上手く利用することで、海外での成功に近づけるかもしれません。

弊社にも、日本のラーメン屋さんからの問い合わせも増えております。自社での進出のみならず、海外の現地の起業家から共同出店やライセンシーのお話をいただくこともあります。

海外でのラーメンショップの展開についてご相談やご不明点がありましたら、ご連絡ください。

2019.6.12
海外営業支援

急成長を遂げるアメリカのミールキット市場

はじめに
日本で有機栽培野菜の宅配や食品宅配などを手掛けるオイシックス・ラ・大地株式会社が、アメリカでミールキット宅配を展開するThree Limes, Inc(サービス名:Purple Carrot)の株式を100%取得し、子会社化することになりました。この子会社化をきっかけに、日本企業が初めてアメリカのミールキット市場に参入することが予想されています。

本記事では、アメリカで急成長を見せるミールキット市場について紹介するととともに、日本企業とアメリカ企業のタッグによって、どのようなビジネスが展開されていくのか考察していきます。

アメリカのミールキットビジネス

アメリカでは、2012年のミールキットビジネス導入以来、ミールキットビジネス参入企業が相次いで増え、市場規模が拡大しています。ある調査※1では、2015年の10億ドルから、2020年には100億ドルを超える市場規模に成長すると予想されています。競合企業も次々に誕生しており、各企業がそれぞれの特徴をPRし、生き残り戦略を図っています。

アメリカのミールキットビジネスは、共働きのミレニアル世代をメインターゲットとしていると考えられています。ミレニアル世代とは、成人になったばかりから30代半ばぐらいまでの世代を指し、アメリカでは最も人口が多い世代となります。このミレニアル世代の特徴として、共働きが一般的であり、インターネットでの購入(ECサイトの利用)に抵抗がないことが挙げられます。つまり、共働き世帯が仕事と家庭を両立させる手段の一つとしてミールキットが導入され、ECサイトを中心としたミールキットビジネスのヒットにつながったといえるのです。

また、ミレニアル世代は、健康意識が高いことも特徴で、オーガニック食材やヘルシー志向の高いメニューを好みます。また、ビーガンの割合も高く、ターゲット層に合わせて各社工夫をしているミールキットのメニュー展開が歓迎されたと考えられます。

アメリカの主なミールキット企業

ミールキットサービス提供する企業では、各自アピールポイントを持っており、他社との差別化を図っています。ここでは、大まかに3つのタイプを紹介します。

・ハイクオリティのメニューを自宅で料理できることをアピールしているもの:

ブルーエプロン、ハローフレッシュ、サムバスケット、ホームシェフ

・時短料理をアピールしているもの:

ゴブル、ディナリー、アマゾン

・特化メニューをアピールしているもの:

ラーメンヒーロー(ラーメン)、 バーガーボックス(ハンバーガー)、パープルキャロット(ビーガン)

また最近では、インターネットで注文するものだけではなく、スーパーマーケットの店舗でもミールキット販売を拡大しています。

将来の展望

今回、オイシックス・ラ・大地株式会社の子会社となるPurple Carrotは2014年の創業以来、ビーガン食100%のミールキット宅配を展開しています。アメリカでは健康意識の高まりや食肉消費に伴う環境負荷に対する懸念から、ビーガン食の市場が拡大しており、2020年には2015年の倍に当たる250億ドルまで成長すると見られています。

一方で、ユネスコ無形文化遺産に登録された日本食は世界的に認知されており、アメリカ国内の人気も高いです。以前は、日本食と言えば、寿司・ラーメンというようなイメージでしたが、近年は健康志向の点からも日本食が注目されており、ミールキットビジネスのメインターゲットであるミレニアム世代にとって、日本食は非常に身近な存在になりつつあるといえるでしょう。
オイシックス・ラ・大地株式会社は、今後Purple Carrotの子会社化を通して、アメリカでの事業展開を開始していくことになるでしょう。ビーガン食と日本食を組み合わせた、独自のメニュー展開によって、競争が激化するミールキットビジネス界で当社はPC社を通じアメリカでの事業展開を開始します。また、日本国内においてもビーガン食のミールキット販売が展開されるかもしれません。
このような、世界的な人気の高い日本食ビジネスと、ミールキットビジネスのタッグの成り行きには注目です。今回の子会社化による事業拡大が成功すれば、将来的に、他の日本企業がアメリカへ事業進出することも増えていくでしょう。逆にアメリカの企業が日本企業を買収することや、日本企業と業務提携することも予測されます。今回の食ビジネス/ECビジネスにおける新しい取り組みは、今後の世界の食ビジネスのトレンドにとっても、非常に重要といえるのではないでしょうか?

※1
https://www.statista.com/topics/3336/online-meal-kit-delivery-services-in-the-us/

2018.10.24
海外営業支援

アメリカで大ブーム人気の抹茶。人気を得るまでの軌跡。

今アメリカでは空前の抹茶ブームが起きています。大手チェーンの取組みをきっかけに、それまで我慢を重ねてきた日本の製造・販売メーカーの努力も実を結び、現在では新たな抹茶カフェが次々とオープンするなど、10年前には考えられないほど抹茶が浸透しています。
抹茶の輸出、販売が増加していった過程や、海外への販路拡大に成功したメーカー、お店等をご紹介します。

・数字で見るアメリカでの抹茶人気
・抹茶はアメリカ西海岸で人気!
・抹茶ブームの立役者。西尾市の抹茶メーカー

数字で見るアメリカでの抹茶人気

まずは日本からアメリカへのお茶の輸出の状況や抹茶が浸透していった経緯、
「どこで、どんな風に」抹茶が取り扱われているかという現状を見ていきましょう。

アメリカへのお茶の輸出増加率

アメリカ等における日本食ブームの影響等により、日本からのお茶の輸出はこの10年間で4倍に増加しました。中でもアメリカへの輸出が全体輸出量の約半分を占めているという状況です。2015年度の食料品の輸出額が7000億円で、そのうちアメリカへのお茶の輸出額は40億円強でした。

また、FAO(国際連合食料農業機関)によると、今後、世界の茶の貿易量は更に増加すると予測しており、日本から海外へのお茶の輸出量はますます増加する見込みです。

アメリカで抹茶が浸透した経緯

2008年にアメリカの大手カフェチェーンが、まず日本で抹茶商品の販売を開始しました。その後欧米でも展開した所大ヒットしました。販売開始後にメディアで抹茶の健康効果が報道されたことも人気拡大の一因です。アメリカでブームになる様々な健康食品がそうであるように、抹茶も当初はセレブ層を中心に人気が広がりました。

2014年ごろから、品質にこだわった抹茶を使用した抹茶ラテを主力商品とする抹茶カフェが東西海岸を中心にオープンしました。抹茶需要の拡大を受けて、抹茶の愛好家をターゲットとした老舗茶屋や茶道家等による本格的な抹茶専門店もアメリカに進出しました。外食産業で浸透していくと同時に、現地系小売、日系小売にて抹茶パウダー、抹茶入り緑茶、アイスクリーム等の関連食品の取扱が拡大します。この頃には「Green Tea」と区別し「MATCHA」という単語で「抹茶」が認識されるようになります。

2018年に入ると抹茶取扱カフェが全国拡大し定着し、抹茶関連商品も定番化します。また、チョコレートやシナモンの様に「フレバー」としても普及しています。
大手食品スーパーでも取り扱われるようになり、中間層に手が届く品揃えや価格帯を実現します。セレブの間でのブームがきっかけとなった抹茶人気ですが、今や中間層にも広く知られる食品となっています。

日本茶及び茶文化の振興を目的とする公益法人、日本茶業中央会は、今後は増加が予想される「本物志向」の消費者向けに抹茶関連商品の開発・ブランディングを行っていくという方針を立てています。

アメリカでの主な取扱場所、流通経路等

それでは、現在、アメリカではどの様な場所で抹茶に出会うことが出来るのでしょう。
外食産業と小売で取扱場所が異なりますが、外食産業では大手カフェチェーンの占める割合が大きく、続いてMATCHA専門点等で抹茶ラテを中心に取扱があります。日本から進出した日本の老舗茶店では濃茶、薄茶等の取扱もあるようです。

小売は現在ではCostoco等全米展開する大手スーパーで抹茶商品を取り扱っています。大手スーパー以外では日系小売やアジア系小売よりも茶専門店で抹茶の取扱が充実している傾向があります。

流通経路としては、完成品、加工品は小売へ、加工用抹茶の一部は外食産業へ流通しています。原材料の一部はアメリカの日本企業現地法人やアメリカのメーカーへ納入されアイスクリームやペットボトル飲料等に加工されています。

日本国内の茶農家への影響

抹茶ブームでアメリカを含めた海外各地で抹茶の需要が拡大していますが、海外の抹茶ブーム以前は、日本のお茶の生産量が減少傾向にありました。抹茶の人気を受けて、京都・愛知では煎茶の栽培からてん茶の栽培にシフトし、生産量を伸ばしています。お茶といえば静岡県ですが、煎茶からてん茶への生産切り替えは容易なことではなく、静岡は少し出遅れているという状況です。

抹茶はアメリカ西海岸で人気!

広大な国土を持つアメリカで、どの地域により抹茶が浸透しているのでしょう。地域差と人気の地域で展開されているMatchaカフェを紹介します。

他地域との差

日本茶業中央会が行った消費者アンケートの結果によると、西海岸で回答者の88%・東海岸で81%が抹茶の消費経験があることがわかりました。
僅差ではありますが西海岸でより抹茶が定着しているといえます。
西海岸には人気のMatchaカフェも多いためより抹茶が身近な存在と言えるのでしょう。

ロサンゼルスで人気のカフェ

「MatchaBar Slver Lake」
Fortgang兄弟が2014年に始めたカフェです。2017年2月にロサンゼルス店がオープン。鹿児島の農家と直接取引しています。ホームページでは抹茶についてのコラムや茶道具の販売も行っています。

HP: https://matchabarnyc.com/

「Midori Matcha Café」
アメリカ最大の日本人街であるリトルトーキョーにあるカフェです。
ラテメニューだけでなく、ソフトクリーム抹茶のデザートメニューも充実しているカフェです。

HP:http://midorimatchatea.com/cafe/

「SHUHARI Matcha Café」
2016年7月オープンのカフェ。
ほうじ茶や麦茶も含めたお茶そのものを楽しむメニューからきなこ抹茶ラテ等日本人の心をくすぐるラテメニューや、プレゼント向けの茶道具の販売も充実しています。

店の名前はSHU(守)HA(破)RI(離)を組み合わせた造語で、日本の緑茶の歴史を受け入れつつ新しい伝統を作り出していこうというカフェです。

HP: https://shuharicafe.com/

サンフランシスコ人気の抹茶カフェ

弊社が本社を置くサンフランシスコでも、抹茶は大人気です。健康志向が強く、アーリーアダプターを自認するサンフランシスコの人達は、もともと新しいモノ、健康につながるもの、を積極的に受け入れる気質があると言われています。

「STONEMILL」
味噌汁やコロッケ等も提供している抹茶カフェ。抹茶ラテの他に水出し緑茶等のメニューもあります。こちらのカフェでは京都の茶葉を使用しています。
実際に同店を訪れると、店内はいつも満席で、テイクアウトで求めていく人も多くいます。

HP: https://stonemillmatcha.com/about

「PREMIUM MATCHA CAFE舞妓」
播磨園製茶(京都)のお茶を使用。ハワイを含めたアメリカ、カナダに展開しており、現在も店舗拡大中です。ソフトクリームやパフェメニューが人気で、2018年4月には逆輸入で日本第一号点がオープンしています。ジャパンタウン内の店舗では、休日ともなるとフロア一帯が行列で埋まることもあります。

HP:http://www.matchacafe-maiko.com/eng/store/

抹茶を扱う事業者の一覧

小売 Costoco、Whole Foods、David’s Tea他

外食 Cold Stone Creamery、Starbucks、他

卸売 日系卸売が多いが、現地小売業者も日本の栽培農家と直接取引しているケースが多いです。

その他(化粧品店など) The Body Shop

抹茶ブームの立役者。西尾市の抹茶メーカー

抹茶といえば京都というイメージがありますが、実はアメリカでの抹茶ブームの立役者は愛知県西尾市のメーカーというのをご存知でしょうか。
抹茶ブームが起こる前の1983年から海外進出に挑戦し、急激な円高等により一旦断念したこともありましたが、2001年に米国市場へ進出しています。
西尾市は全国で唯一、原材料としての抹茶に特化した生産地なのです。

日本から海外へ。抹茶で海外進出に成功。

2度目の挑戦の際は飲用ではなく食品市場にターゲットを定めていました。アメリカ人が好きなアイスクリームに抹茶を混ぜたレシピ等を提案しながら売り込みアメリカ進出を軌道に載せました。

弊社では、日本企業の海外展開のご相談をお受けしています。下記のフォームよりいつでもご連絡ください。
http://tandemsprint.com/#contact

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