2020.7.1
海外営業支援

米国ではパンデミックの影響で「代替肉」の普及が加速中

1.はじめに
米国ではパンデミックの影響で伝統的な肉のサプライチェーンが打撃を受けており、「Impossible Foods」や「Beyond Meat」などの企業による植物ベースの代替品がこの穴を埋めています。ミートパッキング施設がCovid-19のホットスポットとなり、休業せざるを得なくなった事により、農家が家畜を送る場所がなくなりました。その結果、これらの家畜は大きくなりすぎて処理できなくなったため、中西部の農家は何万もの家畜を処分しなければならず、食肉流通の崩壊が起きたことで、何百万人ものアメリカ人が飢えています。
この背後にある中心的な問題は、食品を消費する複雑な方法です。農家は他の農家が家畜に供給する飼料を育てます。家畜は、加工工場で準備されて店に送られます。このプロセスには多くの仲介者が必要であり、これまでサプライチェーンの主流でした。
しかし、近年、これらの仲介者を削減することを約束する代替案が登場しました。「Impossible Foods」や「Beyond Meat」のような会社は「食肉を育てる」工程を完全にスキップすることができます。彼らの工場は植物材料を本物の「食肉」のような食材に変換します。他の企業では、チョリソーのようなひき肉製品を作るために実験室で成長している動物細胞を使用し、実験している所もあります。大学の研究者たちは、肉の構造を実験室で再現する実験をしています。彼らの単純化された「食肉製造のサプライチェーン」で製造された「代替タンパク質」はパンデミックの間に伝統的な肉に取って代わって広く、消費に結びつくかどうかが注目されています。
2.代替肉の歩み
アメリカのデータバンク会社である「ニールセン」は、5月2日までの9週間で、食料品店での代替肉製品の売上が264%増加したと報告しています。しかし、実際には、パンデミックが発生する前に、代替肉は順調に進んでいました。「Impossible Foods」や「Beyond Meat」の代用肉がファーストフード市場に浸透し、「バーガーキング」、「カールズジュニア」、「デルタコ」で登場し、現在では全国の食料品店で購入できます。食肉業界の関係者によると、第1四半期のフードサービス施設への売り上げは、昨年に比べて今年は50%以上増加したといいます。「Impossible Foods」の幹部は、今年の初めから小売の対象範囲が18倍に増えたと語っています。
これらの企業にとって、生産を拡大する可能性はかなりあります。「私たちはサプライチェーン全体を拡大する初期段階にいます」と「Impossible Foods」の社長であるデニス・ウッドサイドは言います。「当社は、仲介業者を効果的に排除することにより、時間の経過とともに、動物由来の製品と同じ価格設定に下がると信じています。」
代替肉メーカーが比較的急速に成長できる理由の1つは、需要に応じて工場で生産を停止または増加できるためです。一方、農家は動物が屠畜(とちく)するのに十分大きくなるのを待たなければなりません。スケールアップを続けるために、代替肉会社は主に多くの工場を建てなければなりませんがそれは家畜が同じ量のタンパク質を作るため必要なスペースよりにはるかに少ないスペースでできるのです。たとえば、「Beyond Meat」のスポークスパーソンは、4分の1ポンドの米国ビーフハンバーガーと比較して、同じサイズのパティを製造するためには99%少ない土地と93%少ない水を使用するのみだと述べています。
3. Covid-19の影響
いくつかの点で、これらの施設は、従来の食肉加工施設よりもCovid-19のような病気の発生の影響を受けにくい場合があります。従来のミートパッキング工場の労働者は、狭いスペースで肩を並べて仕事をしています。腐敗を防ぐことを目的とした積極的な換気システムは、最終的に呼吸粒子を吹き飛ばし、周囲の温度が低い事で、新型コロナウイルスの生存率が上がります。さらに悪いことに、労働者はしばしば会社のバスに乗ってミートパッキング工場との間を行き来し、施設の外でも密に連絡を取り合うようにしています。
植物ベースの肉を生産する施設は、原料を混合して押し出す機械に大きく依存しているため、従業員は肉詰め工場のように近くに立っていません。「植物ベースの食肉成分を処理する施設は、より清潔で、より安全で、より高度に自動化されています」と、代替食品業界を推進する「Good Food Institute」の企業エンゲージメント担当副ディレクター、Caroline Bushnell(ブッシュネル)氏は言います。「押出機は材料を代替肉に変えることができます。だから、動物を吊るしたり、肉を切り刻んだりする必要はありません。」

しかし、それでも従業員は機器を稼働させる必要があります。そのため、パンデミック時の予防策として、「Beyond Meat」のスポークスパーソンによると、従業員は社会的距離を取っているとのことです。「Impossible Foods」の広報担当者は、同社は社会的距離を強化するとともに、ベイエリアの生産施設周辺のCovid-19伝送速度を追跡していると語っています。ミートパッカー(食肉工場)は、従業員の体温スクリーニングや清掃スケジュールの強化など、予防策も講じています。Caroline Bushnell(ブッシュネル)氏は、「食肉生産工場では、食肉処理場よりもはるかに自動化が進んでいるため、社会的距離がはるかに離れている」と述べています。

しかし現在の状況は追い風のみとはいえず、懸念されている点もあります。
この業界はまだ初期の段階にあり、新製品に使われる技術は非常に新しいので、まだまだ研究、調査を必要としていますが、パンデミックにより研究に必要な資材の供給が滞るなど、研究自体がストップしてしまう可能性もあります。

4.世界的な動向

代替肉生産を考えた時、これらをグローバルな観点で考察することも重要です。食料品の輸入輸出により世界中の国がボーダレスに食糧供給のネットワークにつながっています。2017年に発表された「世界の農林水産」によると、世界人口は「2050年には、現在の72億人から97億人へと増加する」と予想されています。そして、国際連合食糧農業機関(FAO)は、この人口増加をきっかけに「2050年の農業生産(食糧・飼料・バイオ燃料)の生産量を2012年の水準より50%以上増加させる必要がある」と発表しました。すでに食糧危機の注意喚起が出ている中での、パンデミックの発生は世界的な食糧供給の混乱となり、地理的に離れた国同士であっても影響がないとはいえない現状があります。世界に目を向けると、アフリカでは、Covid-19が大陸全体に広がっているさなかに、巨大なイナゴの群れも発生しています。今後の広がり次第で、食料生産と流通をさらに荒廃させる可能性があることを懸念しています。「動物由来の食材は育てるための長い時間が必要なこと、工場生産はその時間を短縮できること」は前述しましたが、急速な食糧難に対応できるスピードを持った生産方法である代替肉生産は、危機的状況にあるアフリカを含め、世界的に必要性を増していくことが考えられます。

5.他の代替食品について
世界的金融機関であるバークレイズの調査によると、次の10年間で1,400億ドルに成長するとされ、活況を呈している「代替肉」業界では、数十社がすでに実験室で育てた魚、牛肉、鶏肉に取り組んでいるといいます。
魚介類にも「代替食材」の波は波及し、シンガポールのスタートアップは、幹細胞から作られた研究室で成長した「エビ」を開発しています。まず、細胞を抽出して栄養素を供給し、次にそれらを安定した82度に保ち、増殖を助けます。幹細胞は、4〜6週間で食用の「エビ肉」に変わります。これは、従来の方法で幹細胞を成長させるよりも約3倍速くなっています。
しかし、これまでのところ、ラボで栽培されたエビのコストは1キロ5,000ドルであり、1つの餃子で換算すると約300ドルもの値段がすることになります。
研究者たちは、この「人工エビ」のコストを下げて、伝統的なエビ養殖による森林破壊と土地侵食など、環境への影響を軽減できることを目標としています。

また、代替食品へ注目が集まる他の要因として、ビーガニズムが高まっていることがあげられます。市場調査会社のGlobalDataのレポートによると、 2014年から2017年の間に米国でビーガンと特定された人の数は600%増加しました。ビーガン食が増加しており、植物ベースの製品を製造していない食品生産者はこれに注目し始めています。食品メーカーは、消費者のニーズを満たすために自社の製品を適応させるか、代替品を展開する必要に迫られています。
世界で最も有名なチョコレートメーカーの1つであるキャドバリーは、植物ベースの新しいバージョンの酪農ミルクチョコレートバーをテストしています。このように、菜食主義の台頭は、多くの食品生産者が新しい植物ベースの代替品を製造し始めていることの要因の一つであるといえるでしょう。

6. 終わりに
ここ数年ファストフード店などを利用していた消費者はCovid-19の影響で、誰もが自宅で料理をするようになり、食料品店を利用しています。アメリカで、産業用肉のサプライチェーンが混乱している今だからこそ、植物ベースの代替タンパク質製品への取り組みは加速しています。「今後も「Impossible Foods」や「Beyond Meat」のように、植物ベースの肉が主流になっていく事で代替食材業界の底上げがなされることが予想されます。
最近では昆虫由来のタンパク質生産について研究が進んでいるという話もあり、代替食材分野の伸びはこれからも注目する必要があるでしょう。
本稿が代替食品ビジネスへの参入や経営を行う企業様のお役に立てますと幸いです。
タンデムスプリントグループでは、代替食品ビジネスへの参入や経営についてご相談を受け付けています。ビジネスと法務の両面からご支援させていただきますので、下記の窓口まで、いつでもご連絡ください。
 

2020.6.30
海外営業支援

アメリカアパレル業界のDtoCスタートアップ最新事情

はじめに
近年、アメリカでは店舗数削減や経営再建に踏み切るアパレルブランド、百貨店が頻発するようになりました。例えば、2019年8月にはバーニーズ ニューヨーク(BARNEYS NEW YORK)が、2019年9月29日にはフォーエバー21(FOREVER21)が相次いで、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)を申請しました。さらに、2020年春以降は、新型コロナウィルスによるダメージにより、特に百貨店が苦しい状況にあり、J.C.ペニー(J.C. PENNEY)が連邦破産法11条を申請、そのほかノードストローム(NORDSTROM)やメイシーズ(MACY’S)も複数店舗の閉店を発表しています。

このようにアメリカのハイブランドや大手百貨店において、経営難のニュースが相次ぐ中で、Direct to Consumer(以下「DtoC」とします) という新しいビジネスモデルがアパレル業界を中心に成長を見せています。

そこで本稿では、注目のDtoCスタートアップについて紹介するとともに、既存のビジネスモデルとDtoCとの違いや日本企業が海外進出する上でのポイントについて説明していきます。

DtoCとは?
DtoCとはDirect to Consumerの略で、消費者への直接販売を行うビジネスモデルを意味します。製品が消費者のもとに届くまでには、資金調達、設計、生産、販売、配布という過程を経ますが、DtoCではこの一連の過程がすべて同じ会社によって行われているサービスということもできます。つまり、従来の小売ビジネスでは仲介業者が介在するのが一般的であるところ、DtoCでは仲介業者を省き、生産者が消費者に直接製品を届けるのです。

DtoCの中でも特に、近年盛り上がりを見せているスタイルを、DNVB(Digitally Native Vertical Brand)と呼ぶこともあります。これは、デジタルネイティブとされるミレニアル世代以下の消費者に対して、Webを介してストーリーテリングの手法で商品の販売を行う、インターネット時代のブランドという意味を持っています。

仲介業者を持たないことで経費削減となり、販売価格を抑えながらより優れたデザイン、品質、サービスを提供できるようになります。現在は、アパレルから食品業界まで、様々なDtoCビジネスが登場しています。

注目のDtoCブランド

2012年以降、ベンチャーキャピタルによるDtoCビジネスのスタートアップへの投資額は30億ドル以上にのぼります。ここでは、アメリカのアパレル界で注目のDtoCスタートアップをいくつか紹介します。

Warby Parker(ワービー・パーカー) 
https://www.warbyparker.com/

Warby Parkerは、2010年にペンシルバニア大学に在学中であった4人の学生が立ち上げたメガネのDtoCブランドです。

Warby ParkerのDtoCモデルでは、まず顧客に複数種類のメガネを送付します。そして、顧客は自宅で試着後、不要なメガネを送り返すのです。顧客が店舗に足を運ぶことなくオンラインで試着、購入できる仕組みが、Warby Parkerの特徴で、自宅で眼鏡を選ぶ便利さが受けて、創業以降大きな成長を見せています。

Warby Parkerでは、顧客が眼鏡の試着写真をSNS上に投稿して、友人や家族にアドバイスを求めていることをうまくマーケティングに活用しています。#warbyhometryonのハッシュタグでSNSに試着画像を投稿するよう顧客に依頼しています。そして、その見返りとして、顧客はオンラインのパーソナルスタイリストからアドバイスを受けることができるのです。

また、同社ではインフルエンサーマーケティングにも積極的です。YouTubeのインフルエンサーに、メガネを提供、試着動画を投稿してもらっています。

Everlane(エヴァーレーン)
https://www.everlane.com/

2010年に創業したEverlaneは、それまでのアパレル業界では前例のないコンセプトを備えていました。各製品の製造にかかる費用について全内訳(原価・材料費・労働費・関税・輸送費・工場リストなど)を公開しています。また、Everlaneのウェブサイトでは、製品が製造されている工場を垣間見ることができ、衣服を作っている労働者の様子を見ることができます。主にミレニアル世代の消費者層を中心に過剰なまでの透明性が支持を得て、Everlaneは飛躍的に成長しました。

2018年、Everlaneはサプライチェーンからバージンプラスチックを排除し、オフィスおよびサプライチェーン全体で使い捨てプラスチックの使用をやめるという野心的なプロジェクトに着手しました。そのプロジェクトの一環として、リサイクルされたペットボトルを原材料としたアウターウェアを開発し、コレクション内のすべてのアイテムについて、リサイクルされたプラスチックで作っているとのことです。

Dollar Shave Club(ダラーシェイブクラブ)
https://www.dollarshaveclub.com/

2011年設立のDollar Shave ClubではサブスクリプションベースのDtoCビジネスモデルをとっています。サービスに登録すると、毎月自動課金され、毎月、商品(カミソリの替刃)が顧客の家に直接送られます。

驚くべきはわずか1ドルという低価格です。Dollar Shave Clubは高性能・高品質の流れに逆行して、シンプルで最低限の機能性の製品を作ることで製造コストを最小限に抑えたのです。また、DtoCモデルなので、仲介業者にかかるコストを省くことができます。このように他の製品に比較して圧倒的な低価格を実現することで、市場シェアの獲得に成功しました。

Dollar Shave Clubの顧客数は2016年には300万人に達し、同年Unileverに10億ドル(約1140億円)で買収されました。設立時の資金調達総額は1億6300万ドル(約185億円)だったので、設立から年で大きな成長を遂げたことが分かります。

Casper(キャスパー)
https://casper.com/

Casperは、2014年に設立されたマットレスブランドのDtoC企業です。ベッドの利用が一般的なアメリカでは、日本に比べるとマットレス市場は非常に大きなものです。

マットレスの購入では、ソフト、プラッシュ、セミファーム、ファームといった硬さをはじめとして、価格、サイズ、素材など様々な選択肢を検討する必要があります。Casperでは、マットレスの完成度を高め、選択肢を極限に減らすことで、ユーザーの選ぶストレスを低減させたことがヒットに繋がりました。また、100日間の返品保証や、自宅までの配送など、消費者に安心感と利便性をもたらしていることが受け入れられています。

Casperでも、インフルエンサーマーケティングを行なっています。そして、ターゲット層を広く持つのではなく、都市部に住むミレニアル世代の消費者層にリーチする戦略をとっています。トレンディでユニークなブランドイメージを掲げ、従来のマットレス企業との差別化を図っています。

なぜDtoCが増えてきたのか?
ここ数年で、DtoCが成長を見せているのには、いくつかの理由が考えられます。ここではDtoCを後押しする要因について考察します。

①消費者へのリーチの容易さ
Instagramなどのインフルエンサーマーケティングの台頭により、立ち上げて間もないブランドであっても大規模かつ比較的低コストで顧客にリーチすることができるようになりました。

②インフラストラクチャ
AWSやGoogle Cloudのようなクラウドプラットフォームでスケーリングする機能など、インフラストラクチャの改善はDtoCにとってプラスに働きます。また、シンプルな決済システムと提供するStripe、ECビジネスを実行するためのワンストップショップとなり得るShopifyなどDtoCが発達しやすいインフラが整ってきたのです。

③迅速なプロトタイピング
中国との商業チャネルが活発化したことで、アメリカのスタートアップ企業がプロトタイプを作成したい場合、中国側のリソースを利用し、迅速に作成することができます。

④クラウドファンディング
起業家向けクラウドファンディングサイト、「Indiegogo」や「Kickstarter」では、早期の需要を生み出すための立ち上げプラットフォームを提供しています。このようなサイトの成長はスタートアップ企業にとってメリットが大きいといえます。

日本のDtoCビジネス

海外で盛り上がっているアパレル界のDtoCですが、徐々に日本国内でもDtoCブランドが広がってきています。ここでは、日本のアパレルDtoC企業を紹介します。

Factelier
https://factelier.com/

「職人の情熱とこだわりがつまった語れる商品を適正価格で」というブランドコンセプトのもと、工場直結アパレルブランドを展開しています。中間業者を介さず工場と消費者を直接結ぶことで、工場独自のこだわりを詰め込んだ高品質な商品を、従来の1/2以下の価格で提供できるとしています。

MIXX
https://mixx.jp/

「わたしらしいを選ぼう」というブランドコンセプトのもと、質問に答えていくだけで自分だけにカスタマイズされたシャンプーをオーダーメイドすることができるサービスを提供しています。

picki
https://picki.jp/

pickiはある特定のブランドを提供しているのではなく、アパレル界のDtoCプラットフォームを展開しています。クリエイターがオリジナルのアパレルブランドを立ち上げることができる新たな仕組みです。『7割のサンプル』を作るというコンセプトを掲げ、消費者が一緒にものづくりに参加できる余白を残していることが特徴です。

DtoCブランドで海外進出する際の戦略
現在、アパレル業界で盛り上がっているのは主に、製造小売(Speciality store retailer of Private label Apparel:SPA)のスタイルで行うDtoCビジネスです。このようなDtoCブランドが成功するには、企業とユーザーの関係構築が鍵となります。直接販売という特徴を活かし、ユーザーが一体感を感じられるようなコンテンツを提供することで、従来の小売ビジネスでは提供することのできなかった付加価値を作り出すことができるのです。

誰もが気軽にインターネットにアクセスできるようになった現在、ネット上で消費者に直接訴えかけるアパレルブランドを展開するハードルが低くなりました。特に海外ではDtoCビジネスが広まっており、日本の企業が海外でDtoCブランドを展開するメリットは大きいといえます。

消費者は汎用的な大量生産ブランドを使うのではなく、ブランドのメッセージに共感して、自分自身もブランドに参加している気持ちを味わいたいと考えています。このような購買文化の変化は、新しいビジネスが生まれる大きな力となります。

日本企業が海外で店舗を設けるのは簡単ではありませんが、オンラインショップであれば既存のプラットフォームを利用することもでき、ハードルが下がります。オンラインで成功を収めたあとで、海外でリアルな店舗を開店することもできるでしょう。

また、DtoCでは、中間業者を介さないため、顧客のニーズをしっかりと捉えることができれば、日本と海外とのビジネス文化の差に悩まされることが少ないことも、海外進出の上ではメリットとなります。

今後、アパレル業界で海外進出したいと考えている日本企業は、アメリカのDtoCスタートアップに注目してみると、多くのヒントが得られることと思います。

本稿がDtoCビジネスへの参入や経営を行う企業様のお役に立てますと幸いです。
タンデムスプリントグループでは、DtoCビジネスへの参入や経営についてご相談を受け付けています。ビジネスと法務の両面からご支援させていただきますので、下記の窓口まで、いつでもご連絡ください。

2020.6.2
海外営業支援

教育×テクノロジー(Edtech)-アメリカビジネス最新事情

1.はじめに
近年、教育分野は根本的な変革を遂げようとしている業界です。現代の教育を受けている世代は、多くの大人世代が子供の頃に経験した教育システムとは、まったく別のアプローチをされはじめており、普遍的で、聖域と思われていた教育分野でも、大きな波が起きています。
EdTechとは、教育(Education)× テクノロジー(Technology)を組み合わせた造語で、教育にイノベーションを起こすビジネス、サービス、スタートアップ企業など教育関連技術の総称となります。これまで当たり前と思っていた考え方、仕組み、制度も含め、基礎から覆す、イノベーションの可能性が期待されています。さらにすべての学習者の学びをパーソナライズすることにEd-techの本当の価値があります。Ed-techは生徒を刺激し、参加させ、やる気を起こさせるのに役立ち、次々と新しい教育方法を作成しています。アジアでは、これらのEdTechを含めた教育技術が、2020年までに5兆米ドルの市場評価に達すると推定されています。この分野は、スマートデバイスの高い所有率とインターネットの普及により、大きな可能性を秘めています。日本では文部科学省が2020年までにすべての小・中学校で1人1台のタブレット端末の導入を目指すという指針を発表したことでEdTechが注目され始めました。そして2018年1月には経済産業省が「『未来の教室』とEdTech研究会」が立ち上げられ、日本でも国を挙げてEdTechを推進しようとしています。野村総合研究所(NRI)によると、2016年度におけるEdTech市場規模を約1,700億円と推計しており、2023年には約3,000億円に達すると予測しています。本稿では、Edtechについて、アメリカでの最新事情をまとめてご紹介します。
2.Edtechのカバーする範囲について

Edtechには、従来型の学びと比べて、
・enhanced learning accessibility(いつでもどこでも)
・using data analytics for learning(分析)
・personalized learning(個別学力にあった学習法を実践していく)
という3つの大きな特徴があります。
これを踏まえて具体的な分野の例を見てみましょう。

2-1オンライン学習
「MOOCs(ムークス)」とは一流大学の講義をインターネット上で無料で受講できるという、学習プラットフォームの総称で2008年頃にアメリカで始まりました。オンライン学習の代表的なサービスとして認知度も高いこのサービスは、一定の基準をクリアすれば修了証をもらえるとして、人気となりました。コースにもよりますが、1か月から2か月程度で修了できる学習プログラムが多くあります。MOOCsに参加している組織としては、スタンフォード大学設立のCoursera(コーセラ)やハーバード・MITが設立したedX(エデックス)と呼ばれる組織が、2800以上の学習プログラムを提供しています。1講義は10分程度で視聴できるものもあり、簡単なユーザー登録で利用できるため、受講者はアメリカだけにとどまらず、世界中から利用されています。また、教育格差の是正を象徴する代表例として、15歳の少年がedXの学習プログラムで優秀な成績を収め、米マサチューセッツ工科大(通称・MIT)に学費免除で進学したエピソードは有名となり注目されました。インターネット環境があれば時間や場所に関わらず学習できるとして、昨今話題となっている「リカレント教育(働きながら生涯に渡って学ぶという理念)など、生涯学習視点での学びの可能性も大きく広げています。2014年には日本でも複数の講座を配信するプラットフォームをまとめたポータルサイト、「JMOOC(日本オープンオンライン教育推進協議会)」が設立されました。こちらは国内の主要大学からも講義配信がされていますが、企業と大学が提携しサービス提供している「gacco」や放送大学が提供する「OUJMOOC」など複数の講座を、「JMOOC」で検索し受講することができます。また、これら以外にもオンラインで学べる英会話やプログラミング、楽器演奏などオンラインレクチャーのサービスも増えています。

2-2アダプティブラーニング
学習者一人ひとりに最適化された学習を実現するのが「アダプティブラーニング」です。 個々のレベルや内容を過去の回答や学習履歴から分析し、一人一人に合った学習内容を提案するというコンセプトです。個々に合わせた教育という考え方自体は真新しい物ではなく、従来の教育現場にもありましたが、成績別のクラス分けなどに留まっており、限定的な取り組みの域を出てはいませんでした。現代のアダプティブラーニングの特徴は、ICT技術やソーシャルメディアを活用することで、学習内容や進度を一人一人に合わせて最適化を行うことができる点です。この個別対応はこれまで理想とされてきた教育の姿として関心を得ています。

2-3VRを使った疑似体験学習
VRとはVirtual Reality(バーチャルリアリティ)の略です。
VRの最大の特長は「仮想空間の中で、さも現実であるかのような疑似体験ができる」点です。このことから日本では仮想現実、人工現実感とも呼ばれています。
専用の機器を装着することが必要ですが、リアリティのある体験をどこでも、簡単に繰り返し体験することが可能です。
このVR技術を企業研修などの人材育成や実際に体験することの難しい科目などで、学校教育に活用しようと注目されています。

2-4学習管理の効率化
LMS(Learning Management System)とは学習管理システムや管理プラットフォームの総称です。学んだことを記録し、理解度を分析しながら学習状況を管理する方法です。
教育の効果を最大化させるためには、従来の教育プログラムを単にデジタル化しただけでは不十分だとの認識から、この領域もEdTechが注目している分野の一つです。学習状況を把握し、効率よく管理、運営するための仕組みやシステムが切望されています。これまでに開発された指導者専用の学習管理ツールや育成者、または学習者同士がつながるSNS型ツールなど様々なものが展開されつつあります。

3.ビジネスモデル
すでに数々のEdTechスタートアップによってビジネスが開始されており、これらの企業から、もたらされた革新的なアイデアは従来の教育慣行を覆し、これまで利用できなかった学習体験を生み出しています。先述の各分野から実例をいくつかご紹介します。

3-1オンライン学習の分野では、ユタ州に本拠を置くPluralsightが、エンジニア育成向けのサービスを提供しています。開発者やITプロフェッショナルにオンライントレーニングをすることに焦点を当てており、多くのハイテク企業のエンジニアリングスキルの不足に対処するのに役立つように独自に運営されています。

3-2アダプティブラーニング分野では、
テキサス州に拠点を置くQuickStart社が、チャットボットと人工知能を使用して「CLIPP」と呼ばれるプラットフォームを構築しています。受講者の知識や能力に合わせて学習をパーソナライズ(個別化)するサービスです。
受講者は「プログラミングについて知りたい」、「エンジニアになりたい」など、自分の希望をシステムに伝えます。システムは、そのためにどのようなスキルが必要か、どのような順番で何を学ぶかを判断し、今度は受講者の知識レベルについて質問していき、組み立てた計画を提供します。この計画に沿って生徒が質問をし、必要なときにいつでも支援を得ることができることで学習を継続させることができます。

3-3 VRを使った疑似体験学習で面白いものとして、
カリフォルニア州サニーベールのzSpace 社の教育サービスがあります。ヴァーチャル・リアリティ(VR)と仮想現実(AR)を統合した オールインワンのシステムで、ヘッドマウント型(HMD)とは異なり軽量な3D偏光グラスを装着して、ラップトップ型の機器をスタイラスを使い操作をします。1つのディスプレイを複数人で利用できることが特徴で、現在提供されている教育アプリではインタラクティブな解剖経験や遊びながら物理学を学べるなど、児童、生徒の興味をひく内容となっています。

3-4学習管理の効率化として、カリフォルニア州サンフランシスコのCleverというスタートアップは、学習管理の効率化に寄与するシステムを開発しています。すでにアメリカの幼稚園から高校までの60%の学校が利用しているというこのサービスは、教師が生徒の成績を追跡し、生徒が1回のログインですべての学習資料にアクセスできるプラットフォームです。いわば教師がデジタル教室を作成し、生徒がつながることができるというものです。強固なセキュリティを実装し、生徒のデータを守りながら、利用するには簡単なログインのみという利便性が教師と生徒、双方のニーズにマッチした学習管理サービスです。

4.立場別のメリット、デメリット
まだ始まって間もない学習改革ですが、特筆すべき利点と改善が必要と思われる点も見えてきています。大きく分けてユーザー、育成者側、デベロッパーの3者に対して、それぞれのメリットや課題を見てみましょう。

4-1ユーザー
学習者にとってのメリットは個別学力にあった学習法を実践できることで、理解や定着が深まることです。無駄なく適切な学習を継続できることがEdtech系サービスを利用する一番のメリットです。

普及に向けて懸念される事は、コスト面です。PCやVR装置が必要な場合、相応の費用がかかります。タブレット端末であれば1 台あたり1~5万円程度の費用がかかります。加えて利用者側でのWi-Fi環境の整備やネットワーク の維持、通信にも費用が必要なため、初期投資がかかる事は、初めてとりかかる人にとってはネックとなる点でしょう。

4-2育成者側
従来のように対面で一斉にプログラムを提供するのでは なく、個人個人にカスタマイズされたプログラムを提供できるようになります。
教育の品質が向上しただけでなく、マニュアルや教材作成に要する時間の短縮などにより、間接部門の業務効率化や育成者側の「働き方改革」にもつながるという期待が持てます。
今後は、育成者個人の情報リテラシー向上など、次々と現れる学習プログラムや新しい機材の選択眼が求められます。何をどう提供していくのか、育成者側の目的に合う形で利用できるように情報収集と先立っての理解が必要となります。

4-3ディベロッパー
すでに数々のサービスも出ており、未開拓のブルーオーシャンとまではいかない業界ですが、市場規模が拡大中の教育分野、ひいてはEdtechというカテゴリーは、既存のビジネスから新たな着手先を模索している企業にとって、参入を検討する価値がある部類であると言えます。
課題は有料化、収益化ではないでしょうか。コンテンツの多くが無料で提供スタートしており、さらに、受講登録も手軽にできる一方で、すぐに受講をやめてしまう利用者が多いとも言われています。また、現状では、オンライン講座はオフライン講座と比較して受講者の学習効果が低いとの見解もあり、コンテンツの内容やその提供方法ついて、まだまだ改善の余地がありそうです。

5おわりに
このように、Edtechはアメリカにおいて既にかなり進んだ状況にありますが、日本でも新たな教育プログラムやプラットフォームが広く普及すれば、教育産業を変えるだけでなく、これらの先進的な教育を受けた人材が、他の分野においても、従来のシステムや働き方を変えていくといった事もありうるのではないでしょうか。
これからEdtechに参入する日本企業も、オンラインで講義を提供するに留まらず、受講者側のデータを蓄積し、ビッグデータとして活用するなど、新しいビジネスを展開することで、世界中から注目されていく可能性が十分にあると考えられます。

本稿がEdtechビジネスへの参入や経営を行う企業様のお役に立てますと幸いです。
タンデムスプリントグループでは、Edtechビジネスへの参入や経営についてご相談を受け付けています。ビジネスと法務の両面からご支援させていただきますので、下記の窓口まで、いつでもご連絡ください。

2020.6.2
海外営業支援

パーソナル化が進むアメリカのヘルスケア業界〜カスタマイズされたサプリメントが人気〜

はじめに
アメリカの保健福祉省による全国健康栄養調査 (National Health and Nutrition Examination Survey: NHANES)によると、アメリカの人口の31%は、少なくとも一つのビタミン・ミネラル欠乏または貧血のリスクにあることが明らかになりました。このように多くの人で不足しているビタミン・ミネラルですが、実はサプリメントで欠乏ビタミン・ミネラルを補うことはは、アメリカ人の日常生活の一部となっています。Council for Responsible Nutritionによる調査によると、2018年にはアメリカの成人の75%が栄養補助食品(サプリメント)を使用しており、2009年の同調査結果65%から大きく増加しました。

そして、近年の傾向として、消費者はサプリメントを盲目的に摂取するのではなく、大きなサプリメント市場から自分のニーズににあっているものを選別して利用しています。具体的には、パーソナライズされたビタミン・ミネラルのサプリメントサービスをオンラインで使用する人が増えているのです。

パーソナライズされたビタミン・ミネラルのサプリメントサービスとはどのようなものなのでしょうか?企業は、利用者のライフスタイル、健康問題、そして一部のサービスでは遺伝子検査の結果に基づいて、利用者一人ひとりに向けて欠乏しているビタミン・ミネラルに関する情報を提供します。そして、利用者のニーズに応えるためにカスタマイズされたビタミン・ミネラルのサプリメントを提供するのです。

ビタミン・ミネラルのサブスクリプションサービスに参入した注目の企業
現在、業界を問わず新しいビジネスモデルとして「サブスクリプション」サービスに参入する企業が増えてきています。サブクリプションとは商品(モノ)やサービス(コト)の利用権を一定期間、継続的に提供する課金モデルで、音楽や動画配信サービスでは一般的になってきています。

このようなサブクリプションビジネスの盛り上がりは、サプリメント業界にも影響を与えています。従来のパッケージ売り切り型から、消費者に毎月ビタミン・ミネラルのサプリメントを届けるサブクリプション型に移行・参入する企業が増えてきています。そして、固定のビタミン・ミネラルのサプリメントを届けるのではなく、利用者の事前アンケートに基づき、生活習慣や健康を改善したい領域ごとにパーソナライズ化された各利用者専用のサプリメントを毎月届ける「サブクリプション」×「パーソナライズ」のサービスが注目されているのです。

ここではアメリカでカスタマイズされたビタミン・ミネラルのサブクリプションサービスを展開している注目企業を紹介します。

Hum Nutritionはもともとは皮膚の吹き出物やシミなど肌トラブル解決を目的としたサプリメントに特化していました。現在では、髪と爪、消化、免疫、エネルギー、骨と関節、睡眠、ストレス、代謝といった幅広いエリアをカバーしたサプリメントを提供しています。
まずは、3分間程度のアンケートに応えると、個人向け健康プロファイルの閲覧と登録栄養士との無料相談ができるようになります。 各自の健康プロファイルでは、栄養素、ビタミン、ミネラルの最も効果的な組み合わせを教えてくれ、登録栄養士からは更に詳しいアドバイスを得ることができます。Hum Nutritionの定期購入は、1か月、3か月、6か月、12か月のプランがあり、長期購読になるほどお得になっています。サプリメントは30日ごとに届きます。

Care / ofは、パーソナライズされたビタミン・ミネラルの定期購入サービスに加え、健康促進のためのアプリなど、総合的なサービスを展開しています。また、ビタミン・ミネラルのサプリメントだけではなく、栄養補助食品や、クイックスティックと呼ばれる粉末状のビタミンについてもカスタマイズ可能なことが特徴です。

Care / ofでは、5分ほどの簡単なアンケートをまず行います。アンケートに回答すると、現在の活動レベルと食事、目標、ライフスタイル、価値観に基づいた個人向けの栄養アドバイスレポートを手に入れることができます。

Care / ofの定期購入コースは、一日分のカスタマイズされたビタミンパックの形で提供され、そこには健康促進のためのちょっとしたヒントが提示されています。

定期購入はいつでも変更または解約でき、20ドル以上の注文で送料が無料になります。

Ritualは女性の健康とビタミンに焦点を当てたサービスを展開しています。

Rituralは1つの錠剤にビタミン・ミネラルを総合的に配合したマルチビタミンを提供しており、「女性に必須のビタミン」、「妊娠中に必須のビタミン」、「50歳以上の女性に必須のビタミン」の3種類から選択することができます。これらのビタミンはすべてグルテンフリーでビーガンです。

Rituralでは一般的なマルチビタミンに通常配合されているビタミン(骨の健康のためのカルシウムなど)の多くをカットする代わりに、女性にとって重要で不足しがちな必須ビタミン(たとえば、ホウ素、葉酸、鉄、マグネシウム、ビオチンなど)のみを含む女性用マルチビタミンを作成しています。

Essential for Womenは月額30ドルで、Essential PrenatalとEssential for Women 50+は35ドルです。サブスクリプションは30日ごとに届き、送料は無料です。

Persona Nutrition(前身Vitamin Packs)は、2つのコースを用意しています。

1つ目は、他社でも行っているような事前アンケートに基づいたカスタムサプリメントです。2つ目は、自分自身で摂取したいビタミン・ミネラル選び、自分専用のサプリメントパックを作成します。

Persona Nutritionでは、AM、PM、またはNightというラベルの付いた1回分ごとのパッケージとなっています。ビタミンが体内でどのように処理・吸収されるかという根拠に基づき、一日のうちどのタイミングでビタミンを摂取すべきかをパッケージに示している点がPersona Nutritionの特徴です。たとえば、水溶性ビタミンであれば、空腹時の方が吸収効率が良いので起床後すぐに摂取するようにと示しています。

Personaはほぼ100種類の製品を提供しており、費用は定期購入する内容によって異なりますが、約10ドルから約60ドルの価格帯(送料無料)です。

Vitafiveは錠剤ではなく、グミタイプのビタミン・ミネラルのサプリメントに特化したサービスを展開しています。

Vitafiveでは事前のアンケートを設けておらず、顧客自身でどのビタミンを摂取するかを選択する必要があります。選択したビタミンはデイリーパックまたはマンスリーポーチの形式で30日分届けられます。デイリーパックは選択したビタミンが、1日分ごとに個包装されているもので、マンスリーポーチは1種類のビタミンが1ヶ月分入ったパッケージとなっています。Vitafiveでは定期購入の自由度が高いのが特徴で、解約することなく定期購入を一時停止したり、アイテムを管理したり、アカウントにメンバーを追加したり、配送スケジュールを変更したりできます。また、大手マーケットプレイスAmazonにも製品展開をしています。

Rootineでは様々なデータを考慮したサービスで区別化を図っています。具体的には、ライフスタイルについての質問に加え、年齢や体重/身長のデータを元に、必要とされるビタミン、ミネラル、バランスの取れた食事を計算します。また、Rootineの初回購入時に最初の購入でDNAテストを注文したり、DNA検査キット「Ancestry」や「23andMe」などの既存データを提供することも可能です。さらに、血液検査や尿検査のデータをアップロードすることもできます。
Rootineでは、これらの情報(年齢、体重、ライフスタイル、DNA情報、血液または尿検査の結果)を総合的に考慮してカスタムビタミンパックを作成します。

Rootineでは、顧客に推奨されるビタミン全てについて詳細なプロファイルを提供し、ビタミンの効果やなぜそのビタミンが必要であるのかを説明します。

Rootineは定期購入サービスのみ展開しており、パックの内容に関係なく、月額60ドルです。1回につき3か月分のビタミンが90日ごとに発送されますが、支払いは毎月発生します。送料は無料です。

将来的な見込み

アメリカのオンライン販売におけるビタミン・ミネラルのサプリメントの市場規模は、2015年から2020年までの間に平均で17.4%成長の成長を続けており、非常に勢いのある業界であると言えます。さらに、2020年に対しては、成長率15%、183億ドルとなると見込まれています。このような市場の盛り上がりを背景に、ビタミン・ミネラルのサプリメント販売を行う企業が急激に増えています。特に近年は「カッコイイ」「オシャレ」といったイメージを前面に押し出したマーケティングを行う新興企業が増えており、映えを求める若者にも人気が広がっているといえるでしょう。

一方で、模倣企業、模倣サービスが増える中で、企業の生き残り戦略も重要となっています。例えば、ビタミン・ミネラルのサプリメントとしては老舗の部類にあるPersona Nutrition(前身Vitamin Packs)では、派手なマーケティング戦略を行う新興企業に押され、厳しい状況に有りました。しかし、 近年健康関連分野への投資を拡大している巨大グローバル企業Nestléと提携し、競争力強化を高める戦略に打って出ています。

新規参入企業が増える中で、企業間の競争は激しくなり、他社との差別化が必要な局面にあると言えます。以前は「カスタマイズできるサプリメント」というだけで注目されていたものが、段々と一般的になり、DNA情報とのリンク、より科学的根拠に基づいた処方、オシャレなSNS映えするパッケージなど、顧客を惹きつけるためのプラスアルファの工夫が必要となってきているのです。

では、日本企業におけるサプリメントのサブスクリプションサービスはどのような状況なのでしょうか。日本では2018年以降、スタートアップを中心にサプリメントのサブスクリプションサービス続々と登場しています。特徴的なサービスを展開する日本企業として、例えば「生理周期のホルモンバランスに着目した『fem server』」「皮膚の常在菌検査と菌ケアのサプリを展開する『KINS BOX』」「医師監修のヘルスチェック付きサプリ『wellvis』」などが挙げられます。

日本企業のパーソナライズドサプリメントサービスには、アメリカにもない独自の視点があるため、このような特徴的なサービスを市場規模の大きなアメリカに展開させることで、日本企業にとっては大きな成長が見込める可能性があります。海外進出の際には既に海外進出を行っている大手日本企業と協業したり、現地の代理店・販売店と提携したり、越境ECを行うなど、さまざまな方法があります。既に確立した市場があるアメリカに進出する日本の企業には、サービスの差別化と効果的なマーケティング戦略が重要です。

本稿がパーソナライズドサプリメント事業への参入や経営を行う企業様のお役に立てますと幸いです。
タンデムスプリントグループでは、パーソナライズドサプリメント事業への参入や経営についてご相談を受け付けています。ビジネスと法務の両面からご支援させていただきますので、下記の窓口まで、いつでもご連絡ください。

2020.4.4
海外営業支援

なぜ日本のクラフトビールは米国市場で成功したのか

長年にわたり、クラフトビールのシンプルで確かな味は米国中のバーで不動の地位を確立してきました。1000億ドル規模の巨大な米国のビール市場において、小規模のクラフトビール醸造所は大企業に引けを取らない存在感を示しています。ところで、そもそもクラフトビールとは何でしょうか。

クラフトビールは、成人向け飲料の一種で、スーパーマーケットで販売されている通常の6缶パックのビールのように大量生産ではなく、小規模のクラフトビール醸造所で伝統的な技術を用いて生産されています。

日本のクラフトビール醸造所も、米国で評判となり、年々売り上げを伸ばし続けています。彼らは非常に緻密に手をかけてビールを製造することで知られています。日本のクラフトビールの素晴らしい際立った風味は、同国の天然原料を利用しており、その他の米国ビール業界とは一線を画しています。

しかし、一体どのようにして日本のクラフトビール醸造所が米国市場に浸透できたのでしょうか。そして、彼らのクラフトビールの何が米国民を惹きつけるのでしょうか。

日本のビール愛
日本のビール文化が始まったのは、17世紀にオランダ人がこの国にアルコール飲料を持ち込んだ時です。それ以来、ビールはこの国の文化に溶け込み、強い人気を誇るこの飲み物の独自のブランドができるまでになりました。

日本ではほとんどの企業が、社員同士の繋がりが深まり、距離が縮まるように、仕事終わりにバーや居酒屋で、飲み会と呼ばれる飲酒パーティーを実施しています。この仕事終わりの慣習で大量のビールが消費されることが、日本がクラフトビール造りに優れている理由を示しているのかもしれません。

アメリカのビール愛
アメリカでは、ビールはただの飲み物ではなく、ポップカルチャーの大きな部分を占めています。それはザ・シンプソンズやファミリー・ガイなどの象徴的なアニメ番組でも明らかです。ホーマー・シンプソンやピーター・グリフィンは平均的なアメリカの父親像を示しており、それぞれダフビールとポータケットパトリオット(Pawtucket Patriot)ビールを愛飲しています。

また、歴史的にさまざまな種類のアルコール飲料と接触してきたアメリカ人は、ビールに関して強いこだわりを持っています。しかし、米国中のバーや店頭で手に入る複数の種類のビールの中でも、多くのアメリカ人は日本のクラフトビールの大ファンです。

豊富な種類
日本のクラフトビール醸造所は、消費者の嗜好をよく分かっています。彼らは新鮮な飲料を造るに留まらず、幅広い風味を提供してあらゆる好みに応えています。

本格的な日本のクラフトビールはすべて、完璧な風味の組み合わせとバランスを作り出すため、徹底的かつ革新的なプロセスを経ています。あらゆる全ての種類のクラフトビールが、消費者の好みのイメージになじんでいるのです。日本のクラフトビールの種類は、インディア・ペール・エール(IPA)、ポーター、スタウト、ペールエールなどがあります。

健康上のメリット
クラフトビールの利点の1つは、普通のビールと比べてはるかに体に良い選択肢であることです。日本がものづくりにおいて体への良さに重点を置くという事実も加わって、米国の消費者はすでに日本のクラフトビールが彼らにとって素晴らしい選択であると知っているのです。

日本のクラフトビール醸造所は、タンパク質や抗酸化剤、シリコン、ビタミンBを豊富に含む原料を用いて、ビールを調合しています。よって、熱心なビール好きは、アルコール飲料を楽しむだけでなく、その恩恵も受けることになります。

原料
日本のクラフトビール醸造所は自分たちの商品に誇りを持っています。彼らは、生産量や予想される売上を最重視するのではなく、品質第一のアプローチと入手できる中で最高の原料を使用したクラフトビール造りを行います。

倉庫で保管された、穀物や酵母、ホップ、大量の水などの原料でできる一般的なスーパーマーケットレベルのビールとは対照的に、日本のクラフトビールに使用されている新鮮な原料は、本格的で際立った味を生み出します。

アルコール度数
クラフトビールは、多くの健康上のメリットを持つため、より健康的であると考えられる反面、大規模醸造所や大量生産のビールよりも多くアルコールを含んでいます。

一般的な瓶ビールのアルコール度数が2~3%であるところを、日本のクラフトビール醸造所では、1杯あたり10%にもなるアルコールで全ての樽を満たしています。つまり、消費者は支払う代金に対してより強いビールを飲むことになるのです。結果として、その強力な品質ゆえにアルコール消費を減らすことができるでしょう。

環境配慮の取り組み
今日、企業は現代的な生産方法、つまり、より環境に安全な技術を取り入れることを強く求められています。日本のクラフトビール醸造所は以前から伝統的なビール生産方式を用いており、その環境に配慮したアプローチによって米国ですでに多くのファンに支持されているのです。

日本のクラフトビール醸造所は持続可能な取り組みを行っています。例えば、代替エネルギー源の利用、堆肥化、ビール粕または大麦麦芽・穀粒のコンパクト廃棄物の再利用、そして使い捨てのアルミ缶やボトルを不必要にする再利用可能な小樽やグロウラー、樽の利用などが挙げられます。

まとめ

日本人は世界で最も情熱的で献身的な人々に数えられます。彼らは技術を磨くために無数の時間を費やすことで有名です。当然、彼らはクラフトビールにも同様の熱意を注いでいます。

日本のクラフトビールの新しい調合と風味の製造にかけられる職人技と熟練は申し分がありません。彼らは消費者を獲得するためだけに、どんな苦労も惜しまずあらゆる手段を講じます。日本のクラフトビール醸造所の深い情熱と伝統技術のために、その商品はアメリカ市場の最も熱烈なビール好きからも愛されているのです。

さらに、その本格的な味や最高の品質、豊富な種類、健康上のメリット、新鮮な原料、そして価格によって、彼らのビールは米国の消費者の間で非常な人気を博しています。

こうした全ての要素が、日本のクラフトビール醸造所が巨大な米国市場に浸透し、ビール好きのアメリカ市民からクラフトビールが求められるようになった理由に繋がっているのです。

Contact

件名
貴社名
ご担当者氏名
E-Mail
連絡可能な電話番号
貴社URL
お問い合わせ内容
TandemSprintの4つのサービス
海外営業支援調査・販路開拓現地法人設立・運営支援不動産取得・拠点開設