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マーケティング
2022.11.07

リアルな店舗とインターネットを融合するクリック・アンド・モルタル・モデルの概要と企業事例

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1.はじめに

クリック・アンド・モルタル・モデルとは、小売業者がオンラインおよび対面で販売することにより、より多くの顧客にリーチし、顧客満足度を高める方法です。このモデルでは、オンラインショッピングの利便性と、従来の対面ショッピングの体験の両方を消費者に提供できるため、現在では、多くのビジネスが、クリック・アンド・モルタル・モデルを採用しています。

本稿では、クリック・アンド・モルタルの仕組みと利点、およびクリック・アンド・モルタルをうまく活用しているブランド事例を紹介します。

2.クリック・アンド・モルタルとは?

クリック・アンド・モルタルとは、小売業者がオンラインとオフラインの販売チャネルを統合し、ショッピング体験を合理化するオム二チャネル・ビジネスモデルです。つまり、ひとつのブランドが、eコマースサイトと実店舗の両方を運営、統合することになります。

顧客は、オンラインと実店舗の両方で買い物を楽しむことができるため、クリック・アンド・モルタルは顧客に利便性と柔軟性をもたらします。さらに、ブランドにとってもチャネルを一つに絞って販売する形よりも大きな競争力を得ることができます。

クリック・アンド・モルタルのビジネスモデルの基本的な構造について、モルタルモデル(実店舗のみ)と比較しながら見ていきます。

3.クリック・アンド・モルタルのメリット

クリック・アンド・モルタルの最大のメリットは、オムニチャネル販売です。オンラインや店舗など様々なチャネルで商品を販売することで、より広い市場にアクセスでき、顧客がブランドを認知し購入するためのタッチポイントを増やすことができます。

ここでは、クリック・アンド・モルタルの具体的なメリットについて紹介します。

3−1.シームレスな顧客体験の実現

対面での買い物を好む人もいれば、自宅でくつろぎながらオンラインで注文する人もいるでしょう。また、実店舗を訪れる前にオンラインでリサーチしたり、オンラインで注文する前に実際に商品をチェックしたりすることも考えられます。

クリック・アンド・モルタルの場合、顧客はショッピングと注文の受け取りに関して、自分のニーズに合った方法を選択することができます。

3−2.配送料の節約

オンラインストアと実店舗の両方を持つことで、「BOPIS:Buy Online, Pickup in Store」(オンライン購入店舗受取)を選択することも可能です。この場合、ブランドと顧客の両者が送料を節約することができます。

店舗受取を介して、実店舗への来客数が増え、売上アップにつながる可能性もあります。

3−3.顧客からの信頼とブランド認知の構築

顧客と対面して、直接商品を見たり、触ったり、試したりしてもらう機会を設けることで、ブランドの信頼と認知を高めることができます。実店舗をショールームとして活用し、お客様が実際に商品を手に取って確かめた後に、その場で購入したり、後でオンラインで注文したりすることも可能です。

3−4.商品のクロスセルとアップセル

顧客と商品のタッチポイントや販売チャネルを増やすことは、商品のクロスセルやアップセルの機会を増やすことにもなります。

クロスセルとは、顧客がすでに手にしている商品に加えて、類似商品や補完的な商品を購入してもらい、注文額を増やすように促すことです。また、アップセルとは、検討している商品より高価格帯の商品を購入するよう顧客を説得することです。

店頭では、商品ディスプレイの工夫や、顧客に自ら説明・提案することで、クロスセルやアップセルを行うことができます。オンラインでは、商品ページや決済前の買い物かごページで販売戦略を設定することができます。また、見込客へのメール配信や購入後のコミュニケーションによって、オンラインと店舗の両方の顧客にクロスセルとアップセルを行うことができます。

3−5.売上高の増加

販売チャネルが多ければ多いほど、見込客を購入につなげる可能性が高まります。eコマースストアを持てば、発送圏内であればあらゆる人に販売できますし、実店舗では、地元の顧客を引き付けて販売することができます。

4.実店舗からeコマース、eコマースから実店舗への販路拡大

クリック・アンド・モルタルでは、顧客はどこで買い物をするか、どこで支払いをするか、どのように商品を受け取るかを選択することができます。このビジネスモデルを利用する最大のメリットは、複数のタッチポイントでシームレスなショッピング体験を実現できることです。そのため、多くのオンラインストアが実店舗の開設を選択し、実店舗の小売業者も顧客が求める柔軟性を提供するためにeコマースに進出しています。このような販路拡大は、それぞれ「bricks to clicks(レンガからクリックへ)」、「clicks to bricks(クリックからレンガへ)」とも呼ばれています。

4−1.レンガからクリックへ

オンラインストアを開設する実店舗型企業が増えているのは、当然の成り行きでしょう。Statistaの調査によると、オンライン活動のうち、ショッピング利用は上位にあり、2022年世界のeコマース売上高は5兆4000億ドルに拡大すると予測されています(https://www.statista.com/statistics/379046/worldwide-retail-e-commerce-sales/)。

クリック・アンド・モルタルと同様に、レンガからクリックへでは、顧客が店舗やオンラインで買い物をし、注文した商品を自宅やその他の希望する受け取り場所に配送することができます。

また、店舗にWi-Fiを設置し、アプリやeコマースサイトを通じて、顧客が店舗内でオンライン特典を利用するよう促すことも、レンガからクリックへモデルの特徴です。これは、顧客データを収集し、購入後も顧客とコミュニケーションを継続できるため、小売業者にとっても大きなメリットがあります。

4−2.クリックからレンガへ

クリックからレンガへとは、オンラインのみの小売業者が顧客体験を向上させるために実店舗を構えることを指します。消費者直販型のeコマース事業者がこのオムニチャネル手法を採用する主な理由は、顧客に購入前に直接製品に触れ、見て、試す機会を提供することにあります。つまり、実店舗は、顧客がオンラインで見た商品を体験しに行くショールームとして機能します。

5.ブランド事例

5−1.クリックからレンガへ拡大中のAllbirds
https://www.allbirds.com/

Allbirdsは、環境に優しいフットウェアを販売するブランドです(本社:米国、サンフランシスコ)。2014年にオンラインで設立され、その直後に実店舗をオープンしました。現在、Allbirdsは国際市場で実店舗を拡大中で、2021年末には30以上の実店舗を展開しています。

5−2.レンガからクリックへの移行に成功したeevee’s
https://eevees.com/

2020年に創業したeevee’sは、個人向け電気自動車を販売しています(本社:カナダ、バンクーバー)。同ブランドは実店舗からスタートしましたが、現在では、eコマースストアも開設しています。ウェブサイトでは、店舗情報、配送オプション、購入前に試乗できる無料デモなどを簡単に確認することができます。

6.海外進出・海外展開への影響

日本企業が海外進出する際、実店舗を持たずに、オンライン上でビジネスを展開することは多いことでしょう。eコマース上での展開は、手軽に海外進出できるというメリットもありますが、顧客に直接働きかけるのは難しいものです。

そこで、海外進出の販売戦略として、リアルな店舗とインターネットを融合するクリック・アンド・モルタル・モデルを検討する価値があります。このモデルを採用することで、実店舗において商品やサービスを手にとって確認してもらうタッチポイントを提供することが可能となります。そのため、実店舗は単なる販売拠点というだけではなく、ショールームとしても機能し、新しいブランドへの認知や理解を深めてもらう良い機会となります。

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