アメリカ進出・展開を目指す日本企業をサポートするTandemSprint, Inc.

  • Facebook
  • LinkedIn
  • Line
  • Twitter

アメリカ進出・展開を目指す日本企業をサポートするTandemSprint, Inc.

マーケティング
2022.09.13

消費者の中で高まる環境に優しい商品への関心の広がり 〜グリーンビジネスを展開する米国スタートアップとサンフランシスコのグリーンビジネス認証制度を紹介〜

  • Facebook
  • LinkedIn
  • Line
  • Twitter

1.はじめに

消費者の環境への関心が高まるにつれ、環境に配慮したサステナブルな企業が増えています。海に捨てられるゴミの多くは、企業や工場から出たものであり、企業としての責任も求められているのです。

近年、リサイクルやグリーンエネルギー企業など、環境に優しい製品や環境活動を展開し、持続可能なビジネスを提供する企業を支援する消費者も増えてきました。消費者意識の高まりは、他の企業も追随してグリーン化することを推進しています。

グリーンビジネスといっても、リサイクル可能/生分解可能なアイテムやパッケージ、使い捨て製品の排除など様々な形があります。また、サプライチェーン全体で環境的にクリーンであることも重要で、カーボンニュートラルな配送など、考慮すべきタッチポイントは様々です。ここでは、グリーンビジネスを展開する米国スタートアップをいくつかご紹介します。さらに、カリフォルニア州サンフランシスコを例に、自治体によるグリーンビジネス認証制度について解説します。

日本企業が海外進出する際に、企業としての環境への取り組みをうまくアピールすれば、消費者へ良い印象を与えることも可能です。認証制度などもうまく活用し、海外進出を有利に進める施策を考えてみてください。

2.米国のスタートアップ事例

2−1.Grove

https://www.grove.co/

カリフォルニア州サンフランシスコで2012年に創業したGroveは、2016年にB corp認証を受けてサービスを開始しました。

Groveは、家庭用クリーニング、パーソナルケア、ランドリー、ビューティー、ペットなど様々なカテゴリーで、地球を第一に考えた高性能な製品を生み出し、米国内の数百万世帯で利用されています。

Groveで特に人気が高いのが、再利用可能な家庭用品です。具体的には、ガラスのスプレーボトルとタブレットをユーザーの自宅に配送、ユーザーがボトルに水とタブレットを入れると、台所用洗剤ができあがります。そして、ボトルが空になったら、また水とタブレットを入れる。その繰り返しです。ガラスのボトルを再利用するので、洗剤のボトルを捨てずにすみます。また、環境に配慮したスポンジやタオルケットも販売しています。Groveは、さらにMs.Meyer’sなど、環境にやさしい他ブランドとも積極的にコラボレーションしています。

Groveブランドは、ゼロ・ウェイストのホームケア部門の先駆者であり、現在も市場のリーダーとして君臨しているのです。Groveは、世界初のプラスチックニュートラルな小売業者であり、2025年までに100%プラスチックフリーにすることを約束しています。

2−2.Earthbreeze

https://www.earthbreeze.com/

2019年にオレゴン州メドフォードで創設されたEarth breezeはランドリーストリップを販売し、洗濯洗剤のプラスチック容器削減に取り組んでいます。洗濯する際には、ランドリーストリップを1枚取り出して、そのまま洗濯機に投入するだけです。しかも、パッケージは生分解性となっています。

Earth breezeのランドリーストリップを使えば、プラスチックゴミを減らすだけでなく、水の消費量も減らすことができます。また、通常の洗濯洗剤よりもずっと軽いため、輸送にかかるCO2排出量も少なくなります。

2−3.4ocean

https://www.4ocean.com/

2017年にフロリダ州で設立された4oceanは、手作りのブレスレットを販売し、そのブレスレットが1つ売れるごとに1ポンドのゴミを回収するという目的を持ったビジネスを展開しています。

このブレスレットの販売で得た資金で、同社は何百人もの人を雇用しました。そして、フルタイムで海の清掃を行い、海や海岸線から500万ポンド以上のゴミを引き揚げる成果を上げています。

ブレスレットの販売はまだ始まったばかりですが、人々が使い捨てプラスチックへの依存を減らし、海から回収した素材を再利用し、4oceanブランドと海に配慮したライフスタイルを実現できるような高品質で持続可能な製品の品揃えを構築中です。

2−4.Vericool

http://www.vericoolpackaging.com/

カリフォルニア州リバモアで2015年に創業されたVericoolは、持続可能な出荷、保管、配送のための環境に優しい冷蔵パッケージの製造を行っています。同社のサービスでは、様々なパッケージング製品ラインを提供中です。その中でも、カスタマイズ化・堆肥化・リサイクル化可能な、持続可能かつ環境に優しい出荷用ボックスが注目を浴びています。

同製品では長時間保冷のための温度センサーを内蔵しているため、物流・倉庫業者は外部の冷凍庫に依存することなく、非耐久財のコールドチェーン輸送を改善することができるのです。

3.B corp認証とは?

https://www.bcorporation.net/en-us/movement/about-b-lab/

次に、前述のGroveが取得しているB corp認証について紹介します。

B corp認証とは、ビジネスにおけるUSDAオーガニック認証のようなものです。非営利団体B Labがアセスメントの基準に照らして企業の社会・環境パフォーマンスを測定し、認定された営利企業にはB corp認証が授与されます。現在、77カ国、153の業種で4,000以上のB corpが認定されています。

B corp認証を得られれば、透明性・説明責任・持続可能性・社会と環境へのパフォーマンスの分野でB Labの厳しい評価基準を満たしている企業だと証明されます。

なお、B corp認証を取得するためには、B-labが提供しているB Impact Assessment(Bインパクト・アセスメント)という質問書に対して200スコア中80点以上を取得する必要があります。そして、最終的に80点を超えていればB-labの規約や契約書などにサインし、認証料を支払うことで認証完了となります。ただし、認証料は収益に比例した認証費用を支払う必要があり、料金は地域によって異なります。また、認証を継続していくためには、2年に1度、B Impact Assessment(Bインパクト・アセスメント)を受け、80点以上を取得する必要があります。

B corp認証を受けることで、企業には以下のようなメリットがあります。
● ムーブメントをリードする
● 消費者からの支持を得られる
● 投資家・株主を惹きつける
● プレスリリースを作成する
● 採用活動に好影響を与える
どれもスタートアップ企業が自身のミッションを根拠を持ってアピールする上で非常に重要なポイントです。日本から海外進出する際にも、B corp認証をうまく活用することで、新規市場での知名度を高めることができるでしょう。

4.サンフランシスコのグリーンビジネスプログラム

https://sfenvironment.org/green-businesses

サンフランシスコ・グリーンビジネス・プログラムは、公害防止と資源節約のために行動する企業を奨励し、支援し、表彰する制度です。さらに、サンフランシスコ市・郡が提供するすべてのサステナビリティリソースを無料で利用できるワンストップ・ショップとしても機能しています。このプログラムでは、効率性、認定、革新性の3つのレベルの認定を提供し、企業がサステナビリティの視点で次のステップを踏み出すのを支援するものです。

グリーンビジネスプログラムの3つのレベルは次のように定められています。

● Efficiency(効率性):コスト削減に役立つ基本的な環境ベストマネジメントを実践している企業は、「Efficiency」レベルと認められます。

● Certified(認定):カリフォルニア・グリーンビジネス・ネットワークが定めた高い環境基準を満たし、その功績がサンフランシスコ市と州全体のプログラムによって認められた企業は、「Certified」レベルと認められます。

● Innovator(革新): 「Innovator」は業界のリーダーであり、サステナビリティを中核としたビジネスのあり方について模範を示している企業に与えられるものです。

サンフランシスコ・グリーンビジネス・プログラムでは、インセンティブ、無料の技術支援、専門家による監査、リベート、教育リソースなどが潤沢です。これらのリソースをうまく活用すれば、経費節減と集客アップにもつながるでしょう。また、他の企業、顧客、そしてコミュニティに対して、企業としての環境保全の実践をアピールすることができます。

5.海外進出・海外展開への影響

消費者、企業、自治体政府のいずれもが、環境への配慮をいかに実現するかを重要視しています。その中で、企業として、環境への配慮を自社のブランド力の一部としてアピールすることは、非常に理にかなった行動と言えるでしょう。

本稿で紹介したスタートアップ企業のように、環境配慮をビジネスの主体そのものにすることも可能です。また、主体の事業が直接環境ビジネスとは関わりがなくとも、パッケージや配送の工夫、再利用・リサイクルなどへの積極的な取り組みをすることで、企業の社会的責任をアピールするのも効果があるでしょう。

その際、民間や自治体の認定制度をうまく活用するのがおすすめです。環境へ配慮することで税金などの優遇措置の対象になることもあります。また、認証バッチがあれば、消費者からの信頼や注目をより一層集めることにもつながるでしょう。

また、日本企業が海外進出する場合には、現地の市場での知名度獲得が鍵になります。その際に、客観的に評価できる認証があれば、有利な材料になりますので、積極的にご検討いただければと思います。

  • Facebook
  • LinkedIn
  • Line
  • Twitter

Contact

    TandemSprint, Inc.は、
    日本の素晴らしい商品・サービスを届け、
    豊かな社会を実現する企業様のアメリカ進出を、
    オンライン・オフライン様々な形で
    バックアップするサービスを提供しています。
    • Facebook
    • LinkedIn
    • LINE
    • X