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飲食・フード
2019.08.05

アメリカにおける日本酒市場の拡大

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はじめに

2013年に「和食」世界無形文化遺産に登録されて以降、海外で日本食の人気が高まっています。このブームは食べ物だけではなく、飲み物についても同様です。特に、日本の伝統的なアルコール飲料である日本酒は毎年海外輸出料を増加させており、海外での注目度が伺えます。その中で、日本酒の輸出先の最大国はアメリカとなっており、なんと全体の輸出量の約四分の一を占めているのです。
本記事では、アメリカにおける日本酒マーケットの現状と将来性について、紹介していきます。日本国内の日本酒生産量が減少している中で、日本の伝統工芸品ともいえる日本酒の生き残りの道は海外に見いだせるのかもしれません。

日本国内の日本酒市場

日本国内の酒造メーカーを取り巻く環境は非常に厳しいものです。実は、日本国内の日本における日本酒(清酒)の消費量は年々減少しており、40年前に比べ約3分の1にまで日本酒の消費量が落ち込んでいます(参考:国税庁「お酒のしおり」平成30年版)。また、酒造メーカーの数自体も大きく減少しており、昭和30年代には4,000社もあった酒造メーカーが平成27年度には1,400社程度までに減少しているとのデータがあります。今後もこの傾向は継続するものと考えられています。
このような市場規模が縮小には日本人の日本酒離れとともに、日本酒づくりの担い手が少なくなっていることも大きく関係しています。実は、日本酒メーカーの特徴として、一部の大手を除き、多くが地域密着型の小規模経営ということが挙げられます。このような地元の酒造りを営んで来た古いメーカーでは、杜氏や蔵人という日本酒造りに欠かせない職人が減少しているのです。職人の高齢化が進む中、担い手が増えない現状が続くと、貴重な日本酒作りの技術が次世代に引き継がれないまま失われてしまうことでしょう。

アメリカにおける日本酒市場の拡大

前述のように国内の日本酒市場が縮小している一方で、海外での日本酒市場は年々拡大しています。具体的な数値を見ていきましょう。最新のデータによると、2018年の日本酒の輸出量は2,574万6,831リットルで前年比10%増、金額は222億3,150万7000円で19%増となりました。実は、日本酒の輸出については年々増加しており、10年前と比較すると、輸出金額は3倍、輸出量は2倍になっています。その中で、輸出先の第一位がアメリカです。アメリカへの輸出規模は、数量(5951キロリットル)、金額(63億1300万円)と、それぞれ輸出全体の23%、28%となっています。
もともと、アメリカ国内での日本酒は日本食レストランで日本人向けに提供されていたものでした。しかし、日本酒の知名度がアメリカでも上がり、現在では多くのレストランやバーなどで、現地の人で一般的に「SAKE」として楽しまれています。しかし、当初は日本酒の多様性や美味しい日本酒に関する知識が乏しく、管理の悪さ故に味の悪い日本酒が店頭に出されることもよくありました。
このような状況を改善するために一役買っている団体として「The U.S. National Sake Appraisal」があります。これは日本国外で最も長い歴史を持つ日本酒の品評会であり、2001年の開催初年以降、厳正な審査を実施しています。また、関連イベントとして、一般公開利き酒会を世界各都市で開催するなど、日本酒人気と知識の向上を含め、アメリカでのと日本酒市場の開拓に大きく貢献しています。また、海外の品評会で受賞した日本酒が日本国内で人気再燃するなど、国内市場にも良い影響を与えているといえます。

アメリカで増えるクラフトSAKE

アメリカでの日本酒の人気の高まりとともに、アメリカ国内における酒造工場も増えています。アメリカの酒造情報およびレビューサイトであるUrbanSake.comによると、2000年には5軒程度だったものが、2017年時点では21軒にまで増えているとのことです。
例えば、2018年1月には、アメリカ・ニューヨークで初めての酒蔵「ブルックリン・クラ」が事業を開始させました。この酒造は日本酒に魅了された二人のアメリカ人によって運営されています。ブルックリン・クラでは地域社会と深く結びついた酒蔵を目指しており、新鮮で美味しい日本酒を地域に提供することはもちろんのこと、タップルームをワークショップやイベントのスペースとして活用しながら、日本酒の教育にも力を入れていくそうです。最先端カルチャーの発信地ともいわれるブルックリンにおいて、日本酒を発信してくれるこの酒造は多様な楽しみ方を、ニューヨーク、そしてアメリカ全土に広めてくれると期待されています。

日本企業の活路

日本国内での日本酒業界は縮小の一途であり、今後も厳しい状況が続きます。このような日本国内の需要低迷の中で、日本の酒造メーカーの活路は海外にあるといえます。日本酒の輸出は年々増えており、海外生産の動きも出ています。実際に「獺祭」で有名な旭酒造では、2020年からアメリカ・ニューヨーク州における海外生産を開始する予定です。アメリカの米と水で最高品質の日本酒を造ろうという新しい試みです。
また、文化、ファッション、アニメなど様々な日本のコンテンツを海外に発信している「クールジャパン」施策では、「日本酒と関連分野を組み合わせた海外富裕層向けマーケティングモデルの構築」がプロジェクト採択されており、日本酒を「世界の酒」にする動きが強まっています。
このように全世界的な日本食ブームとともに、政府のクールジャパン施策、日本からの積極的な海外進出を受けて海外での日本酒人気がさらに盛り上がりを見せています。海外のトレンドをしっかりとリサーチして上手くブランド戦略を行えば、海外進出で日本の日本酒メーカーが大きく成長する可能性があるでしょう。

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