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飲食・フード
2020.04.01

アメリカ・レストラン業界の新しいトレンド「ゴーストキッチン」

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1.はじめに

アメリカでは、UberEats、GrubHub、Postmates、DoorDashなどフードデリバリサービスの成長は凄まじく、ある調査ではレストラン内での食事に比べて300%の成長率を見せているとのことです。アメリカの消費者の約半数が、週に1回はフードデリバリサービスを利用していると答えており、フードデリバリーの市場規模は非常に大きなものとなっています。このようなフードデリバリーサービスを導入することで、レストランの売上も平均20%上昇していると示す調査結果もあります(https://upserve.com/restaurant-insider/online-ordering-statistics/)。

フードデリバリーサービスはフードビジネス業界に革命を引き起こし、今では社会に根付いたものとなりつつあります。そして、近年、別の新しいタイプのフードビジネスとして、「ゴーストキッチン」に注目が集まっています。

ここでは、新しいトレンドとなりつつあるゴーストキッチンについて紹介するとともに、今後のビジネス展開について考察します。

2.ゴーストキッチン/バーチャルレストランとは?

「ゴーストキッチン」と似た言葉として、「バーチャルレストラン」という言葉もあります。どちらも、配信アプリを通じてオンラインのみで販売されるバーチャルブランドを展開するという共通のコンセプトを持っていますが、実際には異なるビジネスモデルであり、それぞれに利点と欠点があります。

2−1.ゴーストキッチンとは

ゴーストキッチンとは、実店舗のないバーチャルブランドを作るビジネスモデルです。つまり、キッチンスペース賃貸し、そこでバーチャルブランドの調理を行います。ゴーストキッチンのビジネスを展開している会社として、例えばKitchen UnitedやCloud Kitchensなどがあります。アメリカの主要都市には、ゴーストキッチン向けのキッチンスペース向けの施設が増えてきています。

 

2−2.バーチャルレストランとは

ゴーストキッチンとは対照的に、バーチャルレストランは第三者から場所を借りるというものではありません。自分自身の実店舗(またはフードトラック)を所有しており、既存のキッチンを使用して追加の配達専用メニューを作成します。例えば、ハンバーガーを販売する(実際に存在する)フードトラックの場所と、食材を利用して、別のブランドとしてタコスを販売するというパターンです。

例えば、ロサンゼルスで最も人気の観光スポット・サンタモニカにある、ベトナム料理の高級レストラン「Cassia」は面白い取り組みをしています。このレストランは高級志向でありながら、テイクアウトのみのバーチャルブランドとして、手頃なベトナムの丼ぶりのコンセプトも展開しています。

2−3.ゴーストキッチンのビジネスモデル

ゴーストキッチン登場の背景には、フードデリバリーの躍進があります。このフードデリバリービジネスの成長に伴い、自分自身のPRをしたいシェフや、トレンドを活用したい投資家がゴーストキッチンに参入しているのです。

ゴーストキッチンのビジネスを始める際は、まずKitchens UnitedやCloud Kitchensなどが展開しているキッチンスペースを借りるのが一般的です。そこから、UberEatsやDoorDashなどのアプリにブランド掲載し、顧客獲得に務めるのです。このようなゴーストキッチンは、まったく新しいビジネスの立ち上げや、既存のブランドの提供範囲の拡大に使用できます。

ただし、バーチャルレストランでは、既存の実店舗やフードトラックで料理を準備します。既存のレストランなどが、バーチャルブランドを利用して、ビスネスを拡大する方向性としては、以下の2つが考えられます。
1.人気のジャンルで複数ブランドを展開。
2.同じような食材から作れる複数のジャンルを展開

3.ゴーストキッチンのメリット/デメリット

開業資金を抑えつつ、すぐにビジネスを立ち上げられるーこれこそが、ゴーストキッチンの一番の利点です。キッチンスペースを借りるにしろ、既存のレストランを利用するにしろ、新しくレストランをオープンすることに比べれば、初期投資は大幅に抑えられるのです。そしてすでにある空間を利用するので、実際に販売を開始するまでの時間もかかりません。
実在のフードトラックやレストランをでフードビジネスを始める前に、うまく行きそうか試験的な運用をすることもできます。

このようにビジネス立ち上げまでのハードルが低いメリットがありますが、だからといってビジネスの成功が約束されているわけではないことには注意が必要です。ゴーストビジネスに参入後に、そこで顧客を獲得し、利益を上げるには多くの競合相手との差別化が必要なのです。言い換えると、フードコートやフードテーマパークに出店するのと同じ感覚とも言えます。

実店舗でフードビジネスを始めた際には、新規開店を見かけた通りがかりの消費者(ウォークイントラフィック)に新しいビジネスを見つけてもらうことが可能です。一方、ゴーストキッチンでは、ウォークイントラフィックによる顧客訴求は難しいと言えます。そのため、ゴーストキッチンビジネスでは、キッチンを借りる場所の選択や、特にはお金をかけてでも有効な広告活動を行うことが重要と言えます。場所に関して言えば、キッチンの場所からす数キロ圏内が配達地域となるので、そこに十分な見込み顧客がいるか検討する必要があります。例えば、賃貸料のやすさで、キッチンの場所を決めてしまっても、その地域に十分な顧客がいなければビジネスの成功は難しいのです。

4.立場別、ゴーストキッチンビジネスを始めるメリットとデメリット

4−1.フードビジネスに参入したばかりのシェフあるいは起業家

食品業界での経験がない場合、ゴーストキッチンは、自身のブランドコンセプトが消費者に受け入れられるか試すのに適した方法といえます。初期費用が低く、フードデリバリーサービスにバーチャルブランドを掲載すれば、自分でマーケティングを一から考える必要もありません。自分の考えているビジネスがうまく行くかを低いリスクで確認できるとも言えます。

ただし、初期費用の安さだけを重要視していては、うまく行かないこともあります。ゴーストキッチンでは、デリバリーのエリアに制限があるので、安いキッチンは顧客も少ない可能性があります。また、すでに人気のバーチャルブランドとの競争に勝ち、新規い参入ブランドに負けない強いブランドを作れるかは自分次第ということも忘れてはいけません。

4−2.個人経営で、小規模な実店舗のレストラン

小規模な実店舗のレストラン、ゴーストキッチンを別途借りて、バーチャルブランドを立ち上げることはあまり意味がありません。ただし、既存のキッチンスペースを利用して、新しいバーチャルレストランを立ち上げ、収益性の高いデリバリービジネスをスタートすることは可能でしょう。

労働力や、キッチンスペースの余剰をバーチャルブランドの運営に回し、リソースの無駄をなくすのです。既存の店舗ですでに扱っている食材を使用して、実店舗にはない新しいメニューアイテムを立ち上げ、デリバリー顧客向けにブランド化します。すでにあるリソース(店舗、従業員、食材)を活用するので、追加のコストを抑えつつ、売上を何倍にも上昇することも可能です。

4−3.フードトラックの所有者

フードトラック内には、ゴーストキッチンビジネスを始めるのに必要な設備が全て整っています。まだ、移動性に優れているので、色々なロケーションでデリバリービジネスを試してみることができるメリットがあります。実在店舗で通りがかりの顧客を獲得しつつ、バーチャルブランドのターゲット層への訴求も両立できるのです。

長期的な成功をするには、自身のブランドターゲットに適した特定の場所を見つけて、UberEatsなどのデリバリーアプリの導入を可能とすることにあります。その後、収益が挙がり、フードトラックのキッチンスペースだけでは間に合わないという段階まで来たら、近くに新しいキッチンスペースを借りることで更に規模拡大が望めるでしょう。

4−4.大きなレストラン(チェーン店や有名レストラン)

すでに確立された大型レストランを有している場合、バーチャルブランドで何を目指すのか明確にする必要があります。自身がすでに成功しているジャンルで複数ブランドを展開するのか、同じような食材から作れる全く別のジャンルを展開するのかなど、方向性を定め、それに合わせた戦略を練る必要があります。

既存のレストランとは異なるターゲットにうまく訴求し、新しい顧客層を獲得することが重要です。すでに成功しているビジネスを礎に、バーチャルブランドをうまく展開できれば、さらに大きく成長するチャンスとなるでしょう。

4−5.レストラン業界以外の大手企業

普段はレストラン運営を行っていない企業が、限定イベントや体験型マーケティングとして、バーチャルフードブランド展開することは有効でしょう。例えば、話題のシェフやレストランと連携して、コラボメニューを展開し、自社製品のマーケティングを行うなど、可能性は無限です。

5.ゴーストキッチンビジネスの将来性

フードデリバリービジネスの台頭はレストラン業界にとって、無視できないものです。本記事で紹介したゴーストキッチンビジネスは、新規事業展開にも、既存事業の拡大にも応用できます。うまく使えば、利益を大きく増やすことができる一方で、トレンドに乗るだけでは成功するものではありません。どのビジネスにもいえることですが、競合との差別化が鍵となります。自身のバーチャルブランドのターゲット層や、キッチンのロケーション、ブランドイメージなど、ブランド戦略をしっかりと練り、計画を勧めていくことが重要です。

ゴーストキッチン/バーチャルレストラン事業は、今後も成長が見込まれ、新しいメインストリームとなる可能性も高いでしょう。時代とともに変わるフードビジネスに取り残されないよう、関連業界は最新のトレンドをキャッチアップすることは重要です。そして、新しいビジネスモデルのメリットとデメリットを十分理解した上で、自社がどのような形で参画するのか、判断することが大切です。

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