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海外企業運営
2020.09.16

アメリカでキャッシュバックサイトを活用して小売業者がECなどの収益を上げる方法

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1.はじめに

現在、アメリカではキャッシュバックサイトを通じたオンラインショッピングが一般的になりつつあります。「キャッシュバックサイト」とは、オンライン購入額のうち一定の割合を現金やギフトカードなどで払い戻すウェブサイトを指し、ECビジネスのファシリテーターとして機能しています。企業側は自身のビジネスブランドとキャッシュバックサイトとの間でパートナーシップを形成することにより、新規顧客を安定的にブランドに流入させることが期待できます。

海外進出を考えている日本企業にとって、このようなキャッシュバックサイトの活用は非常に有効です。現地に基盤のない日本企業にとって、海外進出の際に自身のブランドをいかに認知してもらうかは大きな課題となりますが、キャッシュバックサイトはそれを解決するソリューションになり得るのです。

本稿ではキャッシュバックサイトのビジネスモデルとアメリカの主要なキャッシュバックサイトを紹介します。

2.キャッシュバックサイトの役目

キャッシュバックサイトはブランドの認知や拡大を支援する信頼できる仲介業者として機能し、企業が販売チャネルを多様化する助けになります。まだ世間によく知られていないブランドが顧客を獲得するには、顧客といかに信頼を築くかが難しいところですが、よく知られたキャッシュバックサイトを介することで、自動的に信頼を得ることができ、顧客との強力な関係を構築できる可能性があります。さらにブランドそのものを宣伝するだけでなく、キャッシュバックサイトを通じて期間限定のキャンペーンなどを周知することにも役立ちます。

キャッシュバックサイトから企業のショッピングサイトに移動する際には、バックリンクが生成されますが、このバックリンク作成の過程は企業にSEOを最適化する機会を提供してくれます。キャッシュバックサイトにブランドを掲載し、消費者がそのページリンクを踏むたびに、SEO戦略にプラスの影響を与える可能性があるのです。

キャシュバックサイト内には、お得な情報や新製品を探しているアクティブなバイヤーが常に存在しています。このような新しいターゲットオーディエンスにリーチできるのも、キャッシュバックサイトを利用することの魅力です。オンライン上にはキャッシュバックサイトのお得情報を共有する消費者コミュニティが形成されており、キャッシュバックサイトとの提携はデジタルプラットフォームを利用したマーケティングとして、安価でありながらも効果的にブランド力を高めるための一つの方法だと言えます。

3.キャッシュバックがコンバージョン率を高める理由

コンバージョン率とは、広告やオーガニック検索などからのサイト流入数に対してどのくらいの割合でコンバージョン(ECビジネスでは訪問者が購入等のアクションを起こしてくれた状態のこと)を獲得できたかを示す指標です。マーケティング担当者はこのコンバージョン率を向上させることに力を入れており、コンバージョン率を上げるような施策に多くの広告費を投入しています。

キャッシュバックサイトはコンバーション率の観点からも効果的なマーケティングといえます。なぜなら、キャッシュバックサイトからの訪問者はECビジネスに慣れ親しんでいる前提があり、オンラインショッピングへの抵抗感がありません。そのため、不特定多数に発信するよりも効率的にコンバージョン率を改善することが期待できるのです。また、キャッシュバックサイトではオーガニック検索ではリーチが難しい新しい顧客を獲得できる可能性もあります。

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4.キャッシュバックサイトの独占性

キャッシュバックサイトの別のメリットとして、限定オファーとして展開できる点があります。特定のキャッシュバックサイトを通じてのみ利用できるオファーを設定することで、少ない労力で多くの顧客に訴求することができるのです。

例えば、近日中の新製品販売を見越して在庫処分をしたいときに、その売り捌きたい製品に適用できる割引キャンペーンをキャッシュバックサイト限定で展開するのも一つの手でしょう。また、キャッシュバックが適用される製品を限定することで、キャンペーン適用となる他の製品も併せて購入することを消費者に促し、クロスセルを促進、顧客当たりの売上単価を向上させることも期待できます。さらに、キャッシュバックサイト自身が行うポイントアップキャンペーンに便乗することで、店舗で単独キャンペーン展開するよりもより多くの潜在顧客に訴求することができます。

5.アメリカのキャッシュバックサイト

5−1.Rakuten Ebates(楽天Ebates)
https://www.rakuten.com/

クーポンコードを打ち込むことなく、企業毎に設定されたキャッシュバックを自動で受け取ることができます。提携企業の多さが売りで、Amazon、Madewell、Travelocity、Walmartなどの大手小売業者をはじめ、2,500以上と提携しています。Rakuten Ebatesと似た形態のキャッシュバックサイトとしてはTopCashback.com(トップキャッシュバック)(https://www.topcashback.com/)やMr.Rebates(ミスターリベーツ)(http://www.mrrebates.com/)があります。

5−2.Ibotta(イボッタ)
https://ibotta.com/

食料品や日用品の購入に特化したサイトです。消費者は利用したいオファーを保存し、適用商品の購入レシートをアップロードすることで、キャッシュバックを獲得することが可能です。CVS、Kroger、Publix、Sam’s Club、Target、Walmartなどの主要な食料品店やチェーン店と提携されています。多くは実際に店頭で買い物をするものが対象ですが、一部のオンラインストアもキャッシュバックに対応しています。

5−3.Drop(ドロップ)
https://www.earnwithdrop.com/

Dropは個別のオファーを登録する必要も、レシートをアップロードする必要もない手軽さが人気のキャッシュバックサイトです。Dropではまず、キャッシュバックを利用したい小売ブランドを5つまで選択でき、そこで連携済みのクレジットカードを使用すると、購入金額全体に対して自動的にキャッシュバックがされる仕組みです。Trader Joe’s、Whole Foods、Uber、Starbucksなどの人気の店舗とも提携しています。

5−4.Shopkick(ショップキック)
https://www.shopkick.com/

Shopkickは、キャッシュバックを得るために購入する必要がないというのが独特です。実店舗に足を運び、商品のバーコードを自身のスマートフォンでスキャンします。もちろん購入をすれば、より多くのポイントが貯まります。ポイント獲得に購入が必須ではないので、ゲーム感覚で楽しむユーザーもいます。

5−5.Fetch Rewards(フェッチリワード)
https://www.fetchrewards.com/

Fetch Rewardsでは、レシート(食料品店のレシート)の写真を撮るだけで報酬を獲得できます。商品のバーコードをスキャンしたり、特定のブランドを探したりする手間がかからないので、労力をかけたくない消費者から人気です。

5−6.Saving Star(セービングスター)
https://savingstar.com/

Saving Starは各チェーン店のポイントカードと連携させる仕組みを採用しています。買い物の際にポイントカードをスキャンすれば自動的にキャッシュバックを獲得できます。CVS、Dollar General、Safeway、またはWinn-Dixieなどの日用品を扱うチェーン店が利用可能です。

6.最後に

キャッシュバックサイトは消費者でも小売業者でもない第三者によって運営されているプラットフォームであるため、顧客が信頼感を持ちやすいという特徴があります。また、キャッシュバックサイトを通じた情報は、消費者にここで買うとお得だという感覚をもたらし、購買意欲を刺激します。

また、キャッシュバックサイトのビジネスモデルでは、企業にとって効果のないマーケティングに費用をかけてしまう心配がありません。なぜならキャッシュバックサイト利用における、小売業者の負担はパフォーマンスベースとなっているのです。消費者の購入につながればキャッシュバック分を負担する必要がありますが、購入につながらなければ小売業者は何も負担をする必要はないのが通常です。リスクフリーでマーケティングを展開でき、少しの負担で販路拡大につながるキャッシュバックサイトは広告費に大きな予算を割けない企業にとっては特にメリットが大きいプラットフォームだといえます。

アメリカではキャッシュバックサイトが年々普及しており、提携数が多い大手サイトから様々なジャンルに特化した独自路線のサイトまで様々あります。自社のサービスに適したキャッシュバックサイトと提携し、マーケティングに利用すれば、少ない費用で大きなメリットを享受できる可能性があります。日本から海外に進出する場合、販路拡大はビジネスの成功を決める大きなポイントであり、キャッシュバックサイトの潜在的な可能性は無視できないものです。海外進出を目指している企業はキャッシュバックサイトを活用して、認知度の向上、在庫の販売、コンバージョン率の向上、新規顧客へのアプローチ、クロスセルの促進につなげていくと良いでしょう。

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