アメリカ進出・展開を目指す日本企業をサポートするTandemSprint, Inc.

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アメリカ進出・展開を目指す日本企業をサポートするTandemSprint, Inc.

注目スタートアップ
2020.11.20

新型コロナウィルスによる働き方改革で注目されるビジネスプロセス管理ツールについて、アメリカの市場動向と注目のスタートアップを紹介

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1.はじめに

ビジネスプロセス管理サービス関連の市場規模は年々成長しており、その傾向は新型コロナウィルス(COVID-19)のパンデミックにより更に加速しています。ビジネスプロセス管理ツールを導入し、プロセスを自動化することで、人の手の介入を減らすことができるため、プロセスの自動化に対する企業の関心・需要が高まっているのです。また、自動化によって、ビジネスプロセスを加速し、精度を高めることも期待できます。

このようなメリットにより、企業は自動化にますます注目しており、特に近年では、機械学習などのテクノロジーなどを活用した、より高度なビジネスプロセス管理ツールも続々と生まれています。このような従来のビジネス管理ツールに、新しいテクノロジーを採用したものを特にインテリジェントビジネス管理ツール(Intelligent Business Process Management:iBPM)と読んでおり、スタートアップ企業を中心に新しいソリューションサービスが活発に開発されています。

本稿では、アメリカを中心に、ビジネスプロセス管理業界の動向と、iBPMのような新しいソリューションを展開する具体的なスタートアップ企業を紹介します。ビジネスプロセス管理と言っても、メッセージングやミーティングなど、使用場面は様々です。また、新しい働き方が進む中で、従来はなかったツールも生まれています。

海外で事業を展開することを検討しているビジネス関係者の方は、ぜひビジネスプロセス管理の新しい波を把握し、導入を積極的に検討することをお勧めします。ツールを介してプロセスを自動化することで、日本との勝手の違いや考え方の違いによるすれ違いを減らし、スムーズな海外進出に役立つことが期待できます。

また、ビジネスツール開発を行っている事業者の方には、新しいサービスを参考にして現在のトレンドを把握していただき、海外進出のヒントにしていただけますと幸いです。

2.ビジネスプロセス市場の動向

米国ダラスに本社を構えている世界の有力調査・コンサルティング会社、MarketsandMarkets (http://www.marketsandmarkets.com/) 社のレポート (https://www.marketsandmarkets.com/Market-Reports/business-process-management-market-157890056.html) によると、ビジネスプロセス管理のグローバル市場規模は、2020年の88億米ドルから、2025年までに144億米ドルに成長すると予測されており、この期間中の年平均成長率(CAGR)は10.5%に上ります。このような安定的な成長を後押しする要因としては、人工知能(AI)や機械学習(ML)テクノロジーとビジネスプロセス管理ソフトウェアの統合(iBPM)、自動化されたビジネスプロセスに対する需要の高まり、そしてこれらを可能にするITシステムの改善が挙げられます。業界別に見ると、製造業、金融サービス、および保険業界での成長が特に期待されています。

また、コンサルティング、デジタルトランスフォーメーション、テクノロジー&エンジニアリングサービスのグローバルリーダーであるCapgemini社の2017年のレポート(https://www.capgemini.com/wp-content/uploads/2017/07/Global_Business_Process_Management_Report.pdf)によると、組織の約68%がビジネスプロセス管理がマネジメントにおいて重要な課題であると示し、組織の約56%が今後1年間でビジネス効率を高めるための投資を増加させることを検討中だと報告されています。

3.ビジネスプロセス管理やリモートワークをサポートする現在注目のスタートアップ企業の紹介

ここでは、新しい業務円滑化ツールを提供している具体的なスタートアップ企業を紹介します。ビジネストレンド把握の役に立てていただけますと幸いです。

3−1.メッセージング、チャット、メール

これまでのメッセージングサービスではリアルタイムであることが重要視されていましたが、現在では、あえて非同期作業を可能にするツールへの需要が高まっています。なぜなら、世界各地の人々を繋げるコミュニケーションサービスでは、時差の問題などもあり、リアルタイムであることの価値が見直されつつあるのです。そこで、即座の返信を求めるものではなく、議題に対しチーム全員でしっかりと共有・消化するコンセプトのツールが脚光を浴びつつあります。

■ノイズ避け、重要なものに集中できるよう通信を一元化するツール
Quill(https://quill.chat/
‘nuffsaid(https://www.nuffsaid.com/
Involve(https://www.involvesoft.com/
Compose(https://compose.im/

■チームや個人のメールエクスペリエンス改善するツール
Front(https://frontapp.com/
Superhuman(https://superhuman.com/

■リモートチームのために個人に対してあえて非同期通信を行うツール
Threads(https://threads.com/
Yac(https://www.yac.com/
/talk(https://slashtalk.com/

3−2.バーチャルオフィス

在宅勤務やリモート勤務を行う人口が増えるにつれて、「バーチャルオフィス」の概念が出現、それを実現するためのツールが誕生しています。ここで鍵となるのは、チームと協力しつつも、自分自身が集中できる環境を提供できるかということです。リモート勤務が増えている現在、新しい課題として挙げられているのが孤独感への対応です。一人で集中したい際にはチームと一定の距離があることがプラスに働くかもしれませんが、それは時として孤独感を助長することもあります。そのため、孤立を解消するためにゲーム中のオープンマイクのように、各個人がそこにいる感覚を保つコミュニケーションツールが脚光を浴びているのです。

■仮想オフィスを作るツール
Spatial(https://spatial.io/

■異なる場所で作業するチームメンバーであっても、一緒にオフィスに居る感覚を保ち、リアルタイムでの会話を可能にするツール
Teemly(https://teemly.net/
Remotion(https://www.remotion.com/
Pragli(https://pragli.com/

■集中力を高めるためのツール
Motion(https://www.inmotion.app/
Focusmate(https://www.focusmate.com/

3−3.音声・ビデオ

ZoomやSkypeなど、音声・ビデオ通話で圧倒的なシェアを誇るツールもありますが、このような市場シェアの大きいツールが万能というわけではありません。全社プレゼンのように多数に向けたもの、一対一での会話、小規模チームでの会議など、音声ビデオ通話ツールが使われる状況は様々であり、用途によっては、既存のツールに使いづらさを感じている消費者も多いのです。また、最近では単なる通話機能だけでなく、録音、文字起こし、注釈、翻訳などの追加ソリューションなど、かゆいところに手が届く新しいツールへの期待感が高まっているともいえます。

■スクリーン動画をブラウザ上で共有できるビデオメッセージングツール。会議にリアルタイムで参加できない場面などで重宝する。
Loom(https://www.loom.com/
Standups(https://standups.io/

■高度な画面共有などシームレスなリアルタイムコラボレーションによって、ビデオ通話エクスペリエンスを強化するツール
Fuze(https://www.fuze.com/
Coscreen(https://www.coscreen.co/
RemoteHQ(https://www.remotehq.com/

■音声・ビデオ通話のデータを取得・分析し、そのデータを検索・共有・転記できるようにするツール
Chorus(https://www.chorus.ai/
Otter.ai(http://otter.ai/
Fireflies.ai(https://fireflies.ai/
Grain(https://www.grain.co/

■コードにリンクされた動画を作成する開発者向けのコード共有およびスクリーン録画ソフトウェア
GitDuck(https://gitduck.com/

3−4.タスク管理

個人およびチームの生産性は、組織全体の生産性に直接影響を与えるものであり、効果的なタスク管理ツールの開発は数年前から続くトレンドとなっています。

■タスク管理を無理なく直感的に行うツール
Monday(https://monday.com/
Asana(https://asana.com/
Sunsama(https://sunsama.com/
Todoist(https://todoist.com/home

■製品開発チームを想定したツールタスク管理
Linear(https://linear.app/
Cycle(https://cycle.app/
productboard(http://www.productboard.com/

3−5.バックオフィス

企業にとって「生産性向上」は最大の課題であり、そのためにはフロントオフィスの業務に力を入れる必要があります。しかし、現実には、日々の事務作業に追われ、事業の根幹に関わる活動に取り組めないということが頻繁に発生しているのです。特に中小企業では、慢性的な人材不足に直面していることがよくあり、この問題を解決するためにもバックオフィス業務の負担を軽減する自動化ツールの需要が高まっています。

■給与計算の自動化
Payfit(https://payfit.com/
Gusto(https://gusto.com/
Rippling(https://www.rippling.com/

■財務と簿記の自動化
Digits(https://digits.com/
Pilot(https://pilot.com/

■HRプロセスの自動化
Factorial(https://factorialhr.com/

■キャップテーブル管理と資金調達管理の簡素化
Carta(https://carta.com/
Seedlegals(https://seedlegals.com/

■従業員からの要求を整理し、自動応対する
Back(https://backhq.com/

3−6.オンラインイベント

オンラインイベントや会議は近年の新しい概念であり、関連ツールの開発を手掛けるスタートアップ企業が現在注目されています。特に、皆で食事の席に集まり、隣同士であるいはグループ全体で会話をすることのメリットが再評価され、それを仮想空間で再現するツールが生まれているのです。日本では飲みニケーションという言葉も生まれましたが、社内でのコミュニケーションが活性化されることで、業務効率の向上も期待できるでしょう。実際には参加者皆が別々の場所にいながらも、仮想空間上で隣の席の人を持つことで、近くの人と気軽に話をすることができる雰囲気を生み出します。

■プラグインを使用して、オンラインイベントを簡単かつ楽しく主催できるツール
Hopin(https://hopin.to/
Run the World(https://www.runtheworld.today/
Airmeet(https://www.airmeet.com/
vFAIRS(https://www.vfairs.com/
HeySummit(https://heysummit.com/

4.海外進出・海外展開への影響

アメリカの企業では日本よりも自動化ツールを始めとしたビジネスプロセス管理ツールの導入が進んでいます。現地での事業運営を円滑に進める上で、海外進出を考えている日本企業は事業運営の上でこのようなツールを積極的に検討していく必要があるのです。従来の人力に依存したビジネス運営に慣れている企業では、新しいツールの導入は負担に感じることがあると思われますが、中長期的な目線で見ると、業務の効率化につながるものであり、大きなメリットが期待できます。

また、COVID-19の影響を考えると、企業側は、ここで紹介したようなツールを活用して、リモートワークのような新しい働き方を進めていく必要があります。米国では企業の従業員保護への姿勢に対し、日本よりも厳しく見られている面があります。従業員の安全を確保しつつ、円滑な事業運営を進める上で、適切なツールをしっかりと利用していきましょう。

さらに、開発者側の視点で近年の新ツールのトレンドを考えると、クラウドベースのツールは、海外進出しやすい事業とも言えます。他にはない新しいアイディアを具現化し、うまくPRすれば、海外市場でのシェアを一気に拡大することも不可能ではありません。ソフト分野の事業は、ハード分野のように生産や物流などが不要なため、海外進出のハードルが低い分野でもあります。海外市場でのトレンドを把握し、新しい需要に合わせた商品を開発する上で、本稿で紹介した注目のスタートアップ事業なども参考にしていただければと思います。

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