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越境EC参入事例
2021.06.20

越境ECにおける新潮流:米国を中心としたオンデマンド型印刷サービスの可能性

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1.はじめに:越境ECでのオンデマンド印刷ビジネス入門

越境電子商取引(EC)の世界では、オンデマンド印刷(POD)が注目されています。これは、グローバルなEC市場におけるユニークなビジネスモデルで、サプライヤーと協力して、シャツ、帽子、マグカップ、カレンダーなどのカスタマイズされた製品を国際市場に向けて販売します。オンデマンド印刷の魅力は、製品をデザインして注文を受けるだけで、その後の印刷から梱包、国際配送までのプロセスをサプライヤーが処理してくれる点にあります。特に、越境ECを検討している日本企業にとっては、これが大きなアドバンテージとなるでしょう。

このビジネスモデルはドロップシッピングの一形態と見なすこともでき、在庫リスクを最小限に抑え、コストを削減することが可能です。本稿では、越境EC市場でのオンデマンド印刷ビジネスの展開方法や、主要な国際サプライヤーについて詳細に掘り下げます。また、海外進出を目指す日本企業が、このビジネスモデルを通じて新しい市場に参入する際のヒントも提供します。

2.越境EC市場におけるオンデマンド印刷ビジネスの誕生と進化

1990年代までは、パーソナライズされた製品は主に企業のビジネスプロモーション用の販促品として制作され、宣伝の一環として配布されていました。しかし、2000年代以降、インターネットの普及とECの急成長に伴い、市場環境は大きく変化しました。オンラインショッピングの利便性が高まり、消費者は自宅や移動中でも簡単に買い物ができるようになりました。

このような市場の変化は、越境ECビジネスにおいて特に顕著です。世界各国の消費者がアクセスすることで、国境を越えたEC市場は巨大化し、競争が激化しました。こうした中、企業は他との差別化を図るために、パーソナライズやカスタマイズされた製品を提供し始めました。独自のデザインを求める消費者のニーズに応え、オンデマンド印刷が登場しました。

このビジネスモデルでは、事前に大量生産された製品を販売するのではなく、顧客の要望に応じて製品を印刷し、1枚からの販売を可能にします。越境EC市場においては、このオンデマンド印刷ビジネスが特に有効です。世界各国の顧客の好みや需要に応じたカスタマイズされた製品を効率的に提供し、国際的なECビジネスモデルとして成長しています。

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3.越境ECにおけるオンデマンド印刷ビジネスのメリット

オンデマンド印刷ビジネスは、越境EC市場において非常に有益なビジネスモデルです。最小注文単位が存在しないため、初期コストを抑えながら、国際市場でのビジネス展開が可能になります。また、売れ残りによる在庫の損失リスクも低減されます。以下では、オンデマンド印刷ビジネスの6つの主要メリットについて掘り下げていきます。

3−1.既存のECプラットフォームとの統合による迅速なビジネス開始

オンデマンド印刷ビジネスにおいては、最初から独自のオンラインストアを立ち上げる必要はありません。Amazon、eBay、Shopify、Etsyなどの既存のECプラットフォームとの統合により、越境ECビジネスを迅速に開始することが可能です。これらのプラットフォームは、注文処理の技術面だけでなく、ビジネスの立ち上げや成長に役立つリソースを提供します。既存のテンプレートやマーケティングツールを活用することで、国際的な市場への参入の障壁を大幅に低減できます。

3−2.最小限の初期投資とリスク軽減

オンデマンド印刷のビジネスモデルでは、事前の大量の在庫投資が不要で、製品は顧客の注文に基づいてのみ制作されます。これにより、未売品の在庫リスクや保管コストがなくなり、特に越境ECでは、国際的な市場の需要変動に柔軟に対応できます。さらに、低い初期投資でのビジネス開始が可能であり、特に新興市場やニッチ市場をターゲットとする場合に有利です。

3−3.カスタマイズの需要に対応

越境EC市場では、文化や地域ごとの特異性を考慮したカスタマイズ製品の需要が高まっています。オンデマンド印刷では、個々の顧客のニーズに合わせたカスタマイズ商品を提供することが可能です。この柔軟性は、グローバル市場での競争力を高め、顧客の満足度を向上させます。

3−4.越境EC市場におけるブランディングとマーケティングの強化

オンデマンド印刷は、越境EC事業者にとって、ブランドのアイデンティティを強化し、マーケティング戦略を個別化する絶好の機会を提供します。独特のデザインや地域に根差した製品は、国際市場でのブランド認知度を高めることができます。さらに、SSNSやデジタルマーケティングを活用することで、国際市場におけるブランドの露出が増え、ターゲット顧客層へのリーチが拡大します。オンデマンド印刷により生み出される独特の製品は、SNS上でのシェアや口コミを通じて迅速に拡散され、ブランドの認知度を国際的に高めることが可能です。また、特定の文化やトレンドに合わせた製品展開により、地域ごとの顧客の好みや需要に対応することができ、よりパーソナライズされたマーケティング戦略を展開できます。

3−5.越境ECでの顧客エンゲージメントの向上

オンデマンド印刷ビジネスは、顧客の参加とインタラクションを促進します。顧客自身が製品のデザインに関わることで、製品への愛着が増し、ブランドへの忠誠心が高まります。また、特別なイベントや記念日に合わせたカスタマイズ商品の提供は、顧客との関係を深め、リピート購入や長期的な顧客関係の構築に繋がります。顧客のストーリーやバックグラウンドを取り入れた製品展開は、越境EC市場において特に重要な要素となり、国際的な顧客層との深い結びつきを生み出します。

3−6.新しい市場への柔軟な対応

オンデマンド印刷は、越境ECビジネスにおいて、新しい市場やトレンドに対応する柔軟性を提供します。需要の変動や文化的な特性に迅速に対応し、市場の動向に合わせた製品を提供することが可能です。このアプローチは、地域ごとの消費者ニーズに合わせた製品の展開や、限定版製品の販売などを可能にし、越境EC市場での差別化を図ることができます。

このように、オンデマンド印刷ビジネスは、越境EC事業者にとって多くのメリットをもたらし、国際市場での競争力を高めるための重要な戦略となります。

4.越境EC市場における主要オンデマンド印刷サプライヤーの紹介

越境EC市場でのオンデマンド印刷ビジネスを拡大する上で、信頼できるサプライヤーとの提携が重要です。特に、PrintfulやPrintifyは、米国を中心にオンデマンド印刷市場で高いシェアを持つ企業です。これらのサプライヤーは、多様な製品ラインナップと高度な印刷技術を提供し、越境EC業者のニーズに応えています。

4−1.Printful(https://www.printful.com/

Printfulは、オンデマンド印刷の直送およびフルフィルメントをしている会社です。 同社は、オンラインビジネス向けにカスタマイズされた衣料品、アクセサリー、家庭用品、生活用品に対するオンデマンド印刷を提供しています。

Printfulは、2013年にノースカロライナ州で設立されました。それ以降、3,200万以上のアイテム総数提供実績を持っており、2020年には、収益2億ドル超えのマイルストーンを達成しました。 Printfulでは、米国、カナダ、ヨーロッパ、メキシコに9つのフルフィルメントセンターを備えており、日本とオーストラリアにもパートナー施設を有しています。

さらに、Shopify、Etsy、WooCommerce、Wix、Squarespaceなどの人気ECプラットフォームやマーケットプレイスとも統合しています。価格帯としては類似企業に比べてやや割高ですが、ここまでの実績に裏付けられた信頼感の後押しもあり、米国内の主要プレーヤーの座にあるのです。

4−2.Printify(https://printify.com/

Printifyはオンデマンド印刷のドロップシッピングプラットフォームです。Printifyを使用すると、ユーザーはアパレル、アクセサリー、インテリア雑貨など、何百もの製品を選択、カスタマイズ、製造し、eBay、Etsy、Shopifyなどの主要なECプラットフォームでそれらの製品を販売できます。

Printfulは、2015年にカリフォルニア州サンフランシスコで設立されました。Bling Capitalの投資先企業でもあります。

Printifyではオンラインマーチャントがシンプルかつ簡単な方法で売上につなげることをミッションに掲げており、スピード感と柔軟性に定評があります。

4−3.Merch by Amazon(https://merch.amazon.com/landing

Merch by Amazonは、大手ECサイトAmazonが提供しているオンデマンドのTシャツ印刷サービスです。 このサービスを利用すると、出品者はTシャツのデザインを無料で作成して一覧表示できます。 前払い費用はなく、顧客がシャツを購入するとロイヤルティが支払われる仕組みです。 デザインをアップロードし、色を選択して価格を設定するだけで、あとはAmazonに一任する形となります。

出品者のダッシュボードでは、デザインをアップロードしたり、Tシャツを宣伝したり、売り上げを分析したりできます。 初期設定では、作成できるデザインは25までに制限されていますが、シャツを25枚販売すると、最大100種類のデザインを作成できるTier2にアップグレードされます。このような階層型システムは、高品質のデザインを作成した人に報酬を与え、スパム行為を防ぐのに役立ちます。+

5.オンデマンド印刷を利用した越境EC市場への進出の効果

オンデマンド印刷は越境EC市場でのビジネス展開において大きな可能性を秘めています。特に、カスタマイズ可能な商品の販売がEC業界で急速に拡大している現在、オンデマンド印刷ビジネスモデルは注目に値します。世界のカスタムTシャツ印刷市場規模は、2020年には約36.4億米ドルに達し、2021年から2028年にかけての年平均成長率(CAGR)は9.7%に達すると予想されています。これは消費者が個性的な自己表現を重視し、パーソナライズされた製品への関心が高まっていることを反映しています。

この傾向は、特に社会的なメッセージや個人的なスローガンを印刷したカスタムTシャツの人気を後押ししています。企業もブランディング戦略の一環として、オリジナルデザインの商品を使用し、ブランドの認知度を高めるためにこのビジネスモデルを採用しています。個人によるサイドビジネスとしても、オリジナルのカスタマイズ製品を制作・販売する動きが増えています。

オンデマンド印刷の利点は、在庫リスクがほぼないことです。注文を受けてから製品を生産するため、初期投資とリスクを抑えながら海外市場に参入できます。また、各国のトレンドに応じたカスタムデザインを迅速に提供できる柔軟性も大きな魅力です。これらの要因により、日本企業が海外市場に越境ECで進出する際の有効な選択肢となり得ます。

サプライヤーとの連携により、ビジネスの立ち上げや拡大を低コストで行うことが可能で、ECプラットフォームを活用することで、世界中の消費者にリーチすることも可能です。オンデマンド印刷は、海外進出を目指す日本企業にとって、新たな市場機会を提供する魅力的なビジネスモデルであると言えるでしょう。

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