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注目スタートアップ
2023.09.07

米国ではセキュリティ目的のドローン事業が急成長:市場概況と注目のスタートアップ企業を紹介

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1.はじめに

ドローン技術は今やさまざまな産業に革新的な変化をもたらしていますが、その中でもセキュリティ分野での活用が注目を集めています。特に米国では、セキュリティ目的のドローン事業が急速に成長しており、新たなビジネスチャンスが広がっています。

本稿では、米国のセキュリティドローン市場の現状と将来の展望を解説し、注目すべきスタートアップ企業を紹介します。

セキュリティドローン市場は、ビジネスにおける新たなフロンティアとも言えます。この市場への理解を深めることで、海外進出を検討している日本企業にとって、新たな成功の道を見つける手助けとなるでしょう。

2.市場動向

ここでは、2023年に発表されたマーケット調査を参考に、セキュリティドローン市場のトレンドについて見ていきましょう( https://www.factmr.com/report/surveillance-drone-market )。

2023年時点で、世界のドローン市場規模は約339億ドルであり、その中でもセキュリティドローン市場は約55億1210万ドルと評価されています。将来的には2033年までに約211億3163万ドルに成長すると見込まれています。この市場の成長は、商業用途と軍事用途の両方からの需要に支えられており、北米、欧州、中国が主要な市場を形成しています。

セキュリティドローン市場は安定した成長を続けており、2023年から2033年までの期間において年間複合成長率(CAGR)は、14.4%と予想されています。全体のドローン市場のCAGRは、17.6%と予測されており、セキュリティドローン市場はそれにやや劣るものの、確実な成長が期待されています。2018年から2022年の間には、12.3%のCAGRを記録しており、その成長傾向が今後も続くことが予測されています。

3.市場の成長要因

セキュリティドローン市場の成長は、「技術的進歩」「法律と規制の緩和」「セキュリティニーズの増大」という3つの主要な要因により推進されています。

3−1.技術的進歩

ドローン技術の急速な進化は、市場成長の主要な推進力となっています。機械学習やAIの活用により、自律飛行能力が向上し、バッテリー寿命が延長されました。また、カメラやセンサーの画質や精度も向上し、監視能力が飛躍的に高まりました。これにより、ドローンはよりさまざまな環境で高品質な監視が可能となり、商用から軍事まで幅広い用途に適用されるようになりました。

3−2.法律と規制の緩和

多くの国々で、ドローンの商用利用に関する法律と規制が緩和されつつあります。これにより、企業はより簡単にドローンを用いたサービスを提供できるようになり、市場が拡大しています。特に、空域の利用、プライバシー保護、飛行時間や飛行距離の制限などの規制が緩和されています。

3−3.セキュリティニーズの増大

現代の社会情勢を背景に、個人から企業、政府までのセキュリティニーズが増大しています。テロや犯罪の防止、災害時の情報収集、インフラや施設の保護など、さまざまなニーズに対し、ドローンは効率的かつリスクを最小限に抑えるソリューションを提供します。このように増大するニーズが市場の拡大を牽引しています。

4.ドローン技術のセキュリティへの応用

ドローン技術は、その柔軟性と進化する能力により、セキュリティ分野における多様なニーズに対応しています。以下に、その応用例を3つ紹介します。

4−1.監視とパトロール

ドローンは、人間がアクセス困難な地域や広範囲を効率的に監視するための理想的なツールです。例えば、国境警備、大規模イベントのセキュリティ、高速道路の交通管理など、ドローンは広範な地域をリアルタイムで監視し、問題を迅速に特定することが可能です。

4−2.防犯・防災システム

ドローンは、監視カメラやセンサーと連携して、防犯・防災システムの一部として機能します。不審者の侵入や火災の発生を検知した際に、ドローンはすばやくその場所に移動し、詳細な映像情報をリアルタイムで提供します。これにより、迅速な対応が可能となり、被害の拡大を防ぎます。

4−3.データ収集と分析

ドローンは、各種のセンサーやカメラを搭載して、大量のデータを収集することが可能です。人間が直接収集することが困難な環境であっても、ドローンであれば、高品質で詳細な情報の提供が可能です。そして、AIや機械学習の技術を用いて、収集したデータを分析し、状況の理解を深めたり、問題の予測や対策の策定を行います。この応用は、都市計画、災害管理、環境保護など、多様な分野で利用されています。

5.米国の注目すべきセキュリティドローンスタートアップ

米国のセキュリティドローン市場では、数多くのスタートアップ企業が独自の技術とビジョンを持って活動しています。その中でも、特に注目すべき企業として「Easy Aerial」、「Microdrones」、「Kespry」の3社を取り上げてみましょう。

 

5−1.Easy Aerial( https://www.easyaerial.com/

Easy Aerialは、自律型ドローンソリューションを提供しているスタートアップで、2015年に創立され、本社は米国ニューヨークにあります。Easy Aerialの製品は、商用と軍事の両方で使用されています。自律的に飛行し、映像をリアルタイムで配信するドローンを含む製品群は、監視、監査、保守、パトロールなどの用途に適しています。

同社のドローンは、ユーザーフレンドリーで設定が容易であり、さらに耐候性があり遠隔地でも使用することが可能です。将来的には、より広範で効率的な監視を実現するため、AIと組み合わせた監視システムの開発を目指しています。

5−2.Microdrones( https://www.microdrones.com/

Microdronesは、2005年に創立されました。本社は、ドイツのクロイツタールにありますが、北米における主要な本部は、ニューヨーク州ロームにあります。

Microdronesは、商用と産業用のドローンソリューションを提供しており、特に測量、建設、鉱業、農業といった分野での利用に力を入れています。同社のドローンは、精度の高いデータ収集が可能であり、この強みを生かし、より高度なデータ解析サービスを提供することで、顧客のビジネスに新たな価値を生み出すことを目指しています。

5−3.Kespry( https://kespry.com/

Kespryは、2013年に創立され、本社は米国カリフォルニア州メンローパークにあります。Kespryはドローンによるデータ収集とAIによる高度な分析を組み合わせたサービスを提供しています。この組み合わせにより、従来は時間と労力を要する作業を自動化し、迅速かつ正確な結果を提供します。将来的には、より多くの産業に対応した独自のソリューションを提供することで、ドローン市場におけるリーダーとしての地位を確立することを目指しています。

これらの企業は、それぞれ独自の技術と戦略を持ち、セキュリティドローン市場の発展に寄与しています。これらの進歩が今後も続けば、より高度なセキュリティソリューションが誕生し、市場は一層成長するでしょう。

6.海外進出・海外展開への影響

米国のセキュリティドローン市場は急成長しており、日本企業にとっては海外進出の足がかりになる可能性を秘めています。日本企業が海外市場に進出する際には、以下のような方法を検討することが重要です。

戦略の確立:高度な技術開発と独自のソリューションを提供することで、競争力のある市場への参入を検討しましょう。市場ニーズと自社の強みを結び付け、ユニークな価値提案を作り出すことが不可欠です。

パートナーシップと提携:既存の米国企業とのパートナーシップや提携を締結することは、海外展開をスムーズに進めるための効果的な方法です。特に、現地の地元企業と連携することで、文化的な違いを克服し、現地のビジネス環境に迅速に適応できます。

投資とM&A:セキュリティドローン市場の既存企業への投資やM&Aは、直接的な市場アクセスを提供します。これにより、新たな技術やノウハウを獲得し、市場シェアを拡大することができます。

マーケティングとブランディング:効果的なマーケティングとブランディングは、新しい市場での成功に不可欠です。セキュリティドローンアプリケーションの重要性を強調し、自社製品の優位性を明確に伝えることで、消費者の認知と信頼を獲得できます。

これらのアプローチを適切に活用することで、日本企業はセキュリティドローン市場の海外展開に成功する可能性を秘めています。

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